初めてのファン?
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で並んでそこに座る。
「申しおくれましたね。まずは自己紹介をさせてもらうのです。私の名前はアルカ・ロイドというのですよ」
「アルカさん……か。あなたもポケモントレーナーなの?ここにはやっぱり挑戦しに?」
「トレーナーではありますけど、挑戦はしないつもりなのです。あなたのようなきれ……強い人を見るためにやってきたので」
何か言いかけるアルカ。ジェムは首を傾げた。ごまかすようにアルカはマントの下から水筒を取り出す。
「そうだ。わたし、ポケモンと一緒にお茶を作るのが趣味なのです。良かったら飲んでもらえませんか?」
「ポケモンのお茶?面白そう!」
「手前味噌ですが、お茶には自信があるのですよ〜」
そう言ってアルカはコップにお茶を注ぎ、そして安全を証明するように自らも直接飲んで見せる。お茶の見た目は濃い緑色をしていた。受け取ったジェムは、疑うことなく口をつける。
「……おいしい!こんなにおいしいお茶、始めて飲んだかも」
「それは良かったのです」
お茶の味は濃い色からは予想できないほどすっきりした甘さと苦みがあった。ジェムは苦いのは苦手だったが、こんな苦みなら美味しいと思えた。
「ねえねえ、あなたはどんなポケモンを持ってるの?」
「そうですね、実際にお見せしましょうか。出てきてくださいですよ、ティオ、ペンテス」
アルカはボールを二つ取り出し、ポケモンを出す。マスキッパとウツボットだ。
「こっちのマスキッパがティオ、ウツボットがペンテスなのですよ。ほら二人とも、ご挨拶なのです」
「ウツ……」
「キパー?」
ウツボットの方は大人しそうで、静かに身をかがめた。マスキッパは命令をあまり理解していないのか、間の抜けたような声で頭を下げる勢いでそのままアルカに頭で噛みつこうとした。突然のことに驚くジェム。アルカは平然と、噛みつきを手で払う。
「もう、出てくるたびに噛みついたらダメって言ってるのですよ」
「び、びっくりした……」
「ごめんなさい、こういう子で。でも可愛いし、お茶も作れるのですよ?」
「そうなんだ……あ、なんだかいい香り」
ジェムの鼻孔を甘い香りがくすぐる。アルカはウツボットの頭の葉を撫でた。
「甘い香りはペンテスの力なのです。さて、そろそろあなたのお話を聞かせてほしいですよ」
「えっと、何を話せばいいかな……」
初めての経験に戸惑うジェム。昨日のバトルを見ていたなら手持ちのポケモンについては知っているだろう。そんなジェムに、アルカは自分から質問する。
「そうですね、あなたは聞けばチャンピオンの娘だとか。やっぱりバトルは、彼に教えてもらったんですか?」
「うーん……直接お父様に教わったこ
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