ガンダムW
1518話
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に見えないようにしながら空間倉庫からダイヤの入っている革袋を取り出す。
そして俺がポケットから獲りだした革袋を見て、男の表情が一瞬だけ変わる。
へぇ、欲しがっていたダイヤが目の前にあるのに、表情を動かすのは一瞬だけか。
この辺、少しこの男を見くびっていたのかもしれない。
ともあれ、革袋の中に入っている幾つものダイヤの中から、2つだけを取り出して男に渡す。
「これは、ここを用意して貰った件や、推進剤の件を含めての代金だ。これがあればMS運搬用のトレーラーは用意出来るか? 勿論連合軍に見つからないようにしてだ」
ここでスペシャルズの名前を口に出さないのは、単純にまだスペシャルズ自体はそこまで有名ではないからだ。
いや、勿論精鋭部隊として有名なのは知っているし、少しニュースの類を調べた限りでもその辺の名前は出て来た。
だがそれでも、スペシャルズは思っていたよりも表には出ていない。
少なくても、連合軍を相手にクーデターを起こすだけの戦力があるかと言われれば、殆どの者は否と答えるだろう。
この辺、トレーズやレディ・アンの手腕が発揮されている形か。
ともあれ、俺の口からスペシャルズという言葉が口に出なかったのを不審に思うような様子もなく、男はダイヤ2つを受け取る。
「これは……」
「これだけあれば、そちらとしても満足だろ? ああ、勿論これで全部って訳じゃない。ハワードとの橋渡しが上手くいけば、相応の謝礼はするつもりだ」
「……分かりました。色々と難しい事もありますが、頑張ってみましょう。では、私は早速動きますので、これで失礼します」
マフィアの男は、短くそれだけを言うと基地を去っていく。
「良かったの、アクセル。ダイヤを……それも2個もやって」
凛が不満そうなのは、やっぱり宝石に対しての思い入れが色々とある為だろう。
「前にも言っただろ? あの程度の宝石はキブツで幾らでも作れるって」
「でも、今はホワイトスターに戻れないんでしょ? なら、出来るだけ節約した方がいいと思うけど」
「そうか? まぁ、何かあったらテロリストやマフィアのアジトに忍び込んで、金目の物を色々と失敬してくればいいだけだしな。その辺をあまり気にする必要はないって」
ダイヤは大事にした方がいいのかもしれないが、今の言葉通りいざとなれば俺はどこにでも侵入が可能だ。
そういう理由もあって、俺としては別にダイヤを大盤振る舞いしても全く困らないんだけどな。
「あのねぇ……いえ、アクセルに常識を話そうとした事がそもそも間違っていたわ」
「凛、しっかりしろ。傷は浅いぞ」
「あんたも色々ノリノリね」
何だか凛のみが苦労性といった感じに見えるが、何だかんだと凛も色々と騒ぎを起こすことは多いというのは、
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