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Blue Rose
第三十一話 街を歩きつつその九

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「彼みたいな人とよ」
「結婚するものね」
「そうよ」
 まさにと言うのだった。
「そうしてね」
「元々そうした人と結婚するべきなのね」
「信頼出来る人とね」
「私を受け入れてくれる」
「その全てをね、この場合はその目安になるわね」
 優花の全てを受け入れてくれる、そうした人はというのだ。
「貴女を受け入れてくれる」
「それはどうか」
「そうよ」
 まさにというのだった。
「その目安になるのよ」
「私の過去は」
「口では何とでも言えるのよ」
 優子はやや俯いた顔になった、そして過去を思い出してそのうえで苦いものをその顔に出してこう言った。
「信じているってね」
「口では言っていても」
「信じていない人もいれば信用してくれと言ってもね」
「裏切る人もいるのね」
「そうよ、裏切る人もいるから」
 だからだというのだ。
「注意してね」
「それじゃあ」
「ええ、そうしたことにも気をつけて」
 そしてというのだ。
「結婚は考えていってね」
「わかったわ」
「完全に信じられる人と結婚するの」
 それが結婚相手の理想であることは誰でもであるが優花の場合は彼女の過去が目安の一つとなるというのだ。
「いいわね」
「わかったわ」
「そういうことでね、じゃあ飲むことを再開よ」
 実際に言ってすぐまた飲みはじめた優子だった。
「こうしてね」
「皿うどんも食べて」
「そうそう、いややっぱり美味しいわ」 
 その皿うどんも食べてだ、妹に応えた。
「これはね」
「姉さん皿うどんも好きになったのね」
「そうなったわ、少なくとも今確かにね」 
 飲みつつの言葉である。
「この通りね」
「そうなのね」
「今日もとことんまで飲む」
「とことん?」
「そう、とことんよ」
 今自分で言った通りにというのだ。
「飲むわ」
「それはいつもと思うけれど」
「だから今日もよ」
「姉さん本当にお酒好きね」
「特に二人で飲むのが好きよ」
「私と?」
「姉妹で二人の飲むのは昨日がはじめてだしね」
 神戸にいた時は優花は弟だった、だからこうなるのだ。
「余計に嬉しいわ」
「これからは姉妹でね」
「飲むことになるわ」
 まさにというのだ。
「そうなるからね」
「じゃあ」
「どんどん飲むわよ」 
 まさに今日もというのだ。
「こうしてね、そして朝はね」
「また走って」
「お風呂に入ってすっきりしてね」
 そのうえでというのだ。
「神戸に帰るわ」
「そうするのね」
「ええ、また来るから」
 長崎、もっと言えば優花がいる場所にというのだ。
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