470部分:第六十六話 獅子出陣その二
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第六十六話 獅子出陣その二
「その者はだ」
「といいますと」
「残るは」
黄金聖闘士達のうち既に六人、サガとアイオロスを入れて八人が出陣している。そしてアイオロスは既に出陣が決まっている。そうなると残るは。
「シャカか」
「それともアイオリアか」
「ムウか」
それぞれ顔を上げてその顔を見回す様にして動かしながら言い合う。その彼等に対して再度声をかけるシオンが選んだその者は。
「アイオリアだ」
「アイオリアがですか」
「この度は」
「そうだ。アイオリアよ」
「はい」
そのアイオリアがシオンの言葉に応えた。頭を垂れて礼をする。
「よいな、それで」
「有り難き幸せ」
実直な声でこう返すアイオリアであった。
「オーストラリアへ。すぐにでも」
「その前に向かわせる白銀及び青銅の者達を選んでおく」
シオンはこのことも彼に告げたのだった。
「それもある程度は進めているのだがな」
「そうなのですか」
「そうだ。少し時間がある」
シオンの言葉は続く。
「正式な出陣まで英気を養っておくことだ」
「わかりました。それでは」
「話はこれで終わりだ」
アイオリアに告げ終えると他の黄金聖闘士達に対しても告げた。
「皆下がれ。集まってもらい御苦労だった」
「はっ、それでは」
「これで」
黄金聖闘士達はシオンの言葉に応え彼の前から姿を消した。そうしてそれぞれの持ち場に戻っていく。アイオリアはその中で自身の兄でもあるアイオロスに対して声をかけるのであった。
「兄さん」
「どうした、アイオリア」
「兄さんに苦労はかけさせない」
彼に対しても実直な言葉であった。その表情も。人馬宮の前の階段で彼に対してこう告げたのである。
「何があってもだ」
「ふふふ、相変わらずだな」
弟のその言葉を聞いて微笑むアイオロスだった。
「その気質はな
「昔からだというのか」
「自覚している筈だがな」
「自覚か」
「違うか?」
あらためて弟に問うアイオロスだった。
「それは」
「否定はしない」
そしてこれが弟の返答だった。
「俺もそれは」
「そうだな。そしてそれがいい」
「いいのか、これで」
「御前らしくてな。いい」
またいいと言ってみせたのだった。
「実にな」
「ならいいのだがな」
「そしてだ」
さらに言葉を進めるアイオロスだった。
「オーストラリアでの戦いだが」
「うむ」
話は戦いに関するものに移った。
「相手はアスモデウスだ」
「アスモデウスというとだ」
「知っているな」
「アスモデウスのリゲル」
アイオリアの言葉である。
「あの男だな」
「アスモデウスという魔神のことも知っているな」
「竜に乗った三つ首の巨人だったか」
アイオリアの脳
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