意外な弱点
[1/6]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
シリルside
「シリルゥ!!」
一人で勝利の味を噛み締めていると、後ろから数人の足音と大好きな少女の声が聞こえ振り返る。そこには予想通り、三人の少女たちが来ており、そのうちの一人、天竜ことウェンディが飛び付くようにして抱き付いてくる。
「すごかったね!!シリル」
「えへへ/////そうでしょそうでしょ」
大金星でただでさえも嬉しいのに、ウェンディの笑顔を見せられて思わずにやけてしまう。しかし、その様子を見ていたシェリアとソフィアがイヤらしい笑いを浮かべていることに気付き、何事もなかったかのようにキリッとした顔を作る。
「お疲れぇ」
ウェンディとハグをしていると、三人からは遅れて金色の髪を揺らしながら氷の神がこちらに駆けてくる。彼はずいぶんゆっくりと来ていたようで、俺が緩い顔をしていなかったのを見ていなかったようだ。これには少しではあるが、心の中で安堵の息を漏らす。
「勝ったぞ、レオン」
この大会へと参加を一番に提案した彼に向けてVサインを送る。レオンの目的は食べ放題券を手に入れることだったから、さぞや嬉しがっていたことであろう。
「うん、見てたよ」
「・・・」
しかし、帰ってきたのはずいぶんとアッサリしたものだった。ほとんど表情も変えずにそんなことを言うので、思わずなんて言えばいいのかわからなくなり押し黙ってしまう。
「じゃあ、閉会式に行かなくちゃね」
「そうだ!!食べ放題だ!!」
景品があるということで、もちろん閉会式があるらしいのだが、それを聞いた途端に目付きが変わる辺りこいつの思考がよくわからない。食べ放題のためにずっと頑張っていたのなら、優勝が決まった瞬間に大喜びで跳ね回りそうなものだが・・・
「おぉ〜」
閉会式も終了し、マーガレット祭のメインとも言える夜の部に参加している俺たち。ソフィアと観客席にいたシャルルとセシリー、そしてラウルも交えた八人で見て回っているのだが、一番後ろにいるレオンが優勝の副賞である食べ放題券をマジマジと見ていて、ゆっくりとしか進めない。
「レオン、前見て歩きなよ」
「わかってるわかってる」
シェリアに諭されようやく食べ放題券をポケットにしまい、彼女と横並びになりながら追い付いてくるレオン。彼が明日からの食事を楽しみにしているその間にも、俺たちはわたあめやらチョコバナナやらを買ってお祭りを満喫していた。
「てかさっきからずっと聞きたかったんだけどさ・・・」
「ん?」
何かに気付いたレオンが少女たちの方を見ながらずっと気になっていたことをぶつけてみる。
「なんでシェリアたちは着物なんか着てんの?」
彼が気になっていたこと、そ
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ