19. テキは友達 〜電〜
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みんなの分までごめんなさいしてくるクマ!!」
フラフラでもはや立っているのがやっとのはずの球磨さんが、そういって私の手を取り、強引に集積地さんの方向へと私を引っ張ってほおり出してくれた。
「球磨さん!」
「行くクマァアアアア!!」
勢いで姿勢を崩したが私は強引に主機を回して前進し、集積地さんの元に急いだ。
「……ぐああぁぁァァ……ッ」
「集積地さん!!!」
集積地さんの身体についた火は次第に小さくなっていった。資材の油もなくなってきたのか火の勢いが落ちている。今なら行ける。今なら近づける。集積地さん、今行くのです。今助けに行くのです。
「終わりだ集積地棲姫ィイイイ!!!」
ロドニーさんが咆哮を上げた。ランスが集積地さんの方を向いた。ガコンという三式弾を装填した音が聞こえ、その次の瞬間ロドニーさんが引き金に指を添えたのが見えた。間に合って……集積地さんの前まで行かせて!! 間に合って!!!
「させないのです!!!」
「!? イナズマ!?」
「……ッ」
三式弾の炎が届くよりも早く、私は集積地さんの前に盾として立ちはだかった。直後、ロドニーさんの三式弾の雨が私を襲い、私の髪の毛と服を焼いた。衝撃が私の身体を駆け抜け、お腹に重いものがぶつかった時のような痛みと衝撃が全身を駆け巡った。
「ぐうッ……!?」
「!? バカなイナズマッ!!」
「これ以上は……させないのです……ッ!」
「なぜ敵をかばう!? 集積地棲姫は敵なのだぞ!? 我々の敵なのだぞ!!!」
「集積地さんは友達なのです!! 電の友達なのです!!!」
「イナ……ズマぁ……」
「だからもうやめるのです! 友達と戦うのはやめて、もう帰るのです!!!」
苦しそうな集積地さんの声が聞こえた。振り向きたい。振り向いて集積地さんの手を取って抱きしめたい。でも今は出来ない。振り返ってロドニーさんに背中を見せたら、きっとロドニーさんはまた集積地さんに砲撃をする。もう友達を傷つけられて黙っているわけには行かない。集積地さんは私が守る。私は友達を守る。
「退けイナズマ!! あと少しで集積地棲姫を仕留められるんだ! そうすれば作戦は完了する! 貴公たちの嫌疑も晴れる……助かるんだぞ貴公たちは!!」
「嫌なのです! 集積地さんと子鬼さんたちは電の友達なのです! みんなの友達なのです!!!」
「イナズマ……やめろ……今更そんな茶番は……いらん……ッ!!」
ロドニーさんは業を煮やしたのか……兜を脱ぎ去ってその鋭い眼差しを私に刺し、そしてランスの砲塔を私に向けた。この角度は集積地さんではない……正確に私を狙っている。ロドニーさんの目は本気で照準を私に合わせていることを私に訴えている。
「邪魔をするというなら撃つぞイナズ
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