ガンダムW
1517話
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うして用意をしてくれたのだから、久しぶりに凛の作ってくれた料理を食べるというのも悪くない。
「綾子はどうした?」
「綾子? 綾子なら少し周辺を見て回ってくるって言ってたわよ?」
中華鍋を大きく振るい、空中で麻婆豆腐を踊らせながら凛が告げる。
ああいう派手な行為をしながら、それでも豆腐を崩していないというのはさすがだな。
……近衛から聞いた話だが、以前神楽坂が麻婆豆腐を作ろうとした事があったらしい。
勿論普段料理なんか殆どしない神楽坂だから、近衛や凛のように最初から麻婆豆腐を作るのではなく、いわゆる麻婆豆腐の素を使っての料理だ。
だが、それで用意した豆腐が何故か木綿豆腐ではなく絹ごし豆腐で、更に普段料理をしている訳でもなく、技術もないのにフライパンを大きく振るったことで、ただでさえ木綿豆腐に比べて柔らかい絹ごし豆腐は潰れ、砕け……最終的には麻婆豆腐ではなく、麻婆スープとでもよぶべきものになったらしい。
まぁ、それでも材料としては妙な隠し味の類を使っている訳でもなく、普通に麻婆豆腐のものだったので、特に問題なく麻婆丼……というか、形状としてはカレーライスに近いのか?
そんな具合にして食べる事が出来たようだが。
この話の勝因は、やはり最初から麻婆豆腐を作るのではなく、麻婆豆腐の素を使ったところだな。
だからこそ、見た目はともかく味は麻婆豆腐になった訳だし。
……凛くらいの技術があれば、絹ごし豆腐で麻婆豆腐を作って、中華鍋で煽っても大丈夫なのかもしれないが。
「アクセル? どうしたのよ、じっとこっちを見て」
神楽坂の麻婆スープのことを考えながらじっと凛を見ていると、そんな俺を不審に思ったのか中華鍋を振るいながら尋ねてくる。
「いや、凛の言葉通り随分と料理の腕が上がったと思ってな」
「あら、そう? ……けど、アクセルに料理の腕って分かるの?」
そう言われれば、俺としても何も言えなくなる。
実際、俺の料理の腕は神楽坂よりも多少マシといった程度だし。
いや、今の神楽坂はホワイトスターで一人暮らしをしてるんだし、もしかしたら俺よりも料理の技術は上か?
麻婆スープは、俺が麻帆良であやか達と一緒に暮らしていた時のことだし。
何しろ、マリューや千鶴といった風に料理の上手い恋人と同棲してるおかげで、自分で料理をしようとは思わないんだよな。
勿論必要最低限の料理は出来る。
例えば麻婆豆腐の素を使えば麻婆豆腐を作れるし、ルーを使えばカレーやシチューだって失敗しない程度に作る事は出来る。
だが、結局はその程度でしかない。
必要がなければ、やっぱり上達しないんだよな。
ああ、それと俺の場合は空間倉庫があるというのも大きいな。
美味い料理を見つければ、纏めて買って……いわ
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