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ep.025 襲撃者
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に激しく降ってくる。
危険を感じて仁は相手を警戒する。
死神が迫ってきた。
「食らっとけ!」
死神は指を鉤爪のようにして引っ掻く動きを取る。
仁は嫌な感覚がして後方へ飛ぶ。
途端に地面が抉れ、鉤爪で引っ掻かれたように地面が変形した。
感覚的に言えば、アスファルトが瞬間的に溶けて違う形でまた固められたような状態だ。
「あーあ、一撃で逝っちまえば楽に終われたかも知んねぇーのによ。」
「俺はまだ死ねない。」
死神は次に腰辺りのケースからナイフを取り出した。
もちろん刀身はそう長くないサバイバルナイフのような物で明らかに近接戦闘に持ち込むのが分かった。
「オラッ!!」
死神がナイフで仁を刺そうとする。
仁は刃がどこを狙っているかを見ると、それを避ける。
しかし、刃は仁の腕をかすめる。
『クソッ、目では分かっても体が追い付かない。』
これは必然的な問題だった。
本来、戦闘経験などある筈もない仁は初手の攻撃を回避できただけでもすごいことだろう。
「急所をそらしやがったな...なら。」
死神は刀身に手のひらをかざしなぞる。
刀身が赤くなる。
まるで鉄を打つ前に熱で柔らかくしたもののようだ。
「この刃は貫き抉る大蛇の牙........。」
死神は赤くなった刀身を構え、まるで突き刺すような体制を取る。
「ブッ殺せ!! 大蛇の牙!!」
刀身が勢い良く延びる。
「なにっ!?」
仁はこの異常事態から後方へ大きく退くが、仁の想像以上にその間合いは長かった。
仁は着地とほぼ同時に右腕を貫かれる。
「うぐっ!」
『この感覚は。』
気が付けば毒が回り始めていた。
毒の影響なのかそれとも本来のものなのかは分からないが、痛覚が研ぎ澄まされる。
仁は右腕を押さえた。
痛みが飛びそうなくらい力を込めて。
「痛いだろ.....痛みは思考を止めるからなぁ。」
話している間にも痛みは鋭くなっていく。
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