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IS ーインフィニット・ストラトスー 〜英雄束ねし者〜
3話『青い雫と青き勇者』
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(なんだ、あれは!? 七星天剣流だと!? そんな流派など聞いた事は無い!?)

 秋八に解放されながら箒の心には憎悪が溢れていた。……これで二度目だ。自信が有った筈の剣道で此処まで徹底的に負けたのは。一度は剣道の全国大会でのあの少女……二度目は四季にだ。
 当然ながら、彼女もこれまで何度も負けているが、年上が相手だったり、同年代では自分よりも強かった一夏や秋八くらいなものだった。
 特に同年代が相手では一夏や秋八にも何回かに一回程度ならば勝っている。だが、ここまで徹底的に負けたのは……同年代が相手では箒にとって二度目の経験だった。

「大丈夫かい、箒」

「あ、ああ、すまない、秋八」

 そう言って秋八から差し出された手を取って立ち上がる。同時に湧き上がってくるのは、彼の前で無様な姿を曝させた四季に対する憎悪、それ以前にも慰められたものの秋八からの優勝の祝福を奪った彼女への憎悪。
 何処か四季と詩乃の関係とは逆の関係が見て取れる秋八と箒の関係だが、

「安心して、箒の仇はボクが取ってあげるからさ」

「本当か!?」

「ああ、あいつの技が見れたのは幸いだったよ」

 そうは言った物のあの技『回羅旋斬』の一部しか見れなかった。……理由は簡単、早すぎたのだ。

(だけど、対策は出来るはずだ。それにISでの戦闘は幾ら剣術だけ強くても意味が無い。……でも、そうなると遠距離型の武器が……。いや、きっと此処で神様がくれたISが手に入るはずだ、どの機体が来ても遠距離攻撃は出来る……)

 そう考え、急いで四季との戦いのシミュレーションを始める秋八。見下してはいても四季が油断できない相手と理解したのだろう。

(逆に考えるべきだ。……束さんの妹である箒に勝ったあの屑をぼくが公衆の面前で叩き潰せば、ぼくの才能を周囲にアピールできる。……そうだ、所詮アイツはボクにとって単なる踏み台。踏み台はある程度高い方が良い)

 嬉しそうに微笑む箒に対して笑顔を向けながらも、心の中ではそんな事を考えていた。思いを馳せるのは用意されるといわれている専用機の事だ。

(あの屑の専用機がどんな物かは知らないけど……“リ・ブラスタ”や“バルゴラ”なら十分に勝機はある。“ガンレオン”は趣味じゃないから止めて欲しいけど)

 思い浮かべる三つの名前。

(……それにしても、なんで最初から決めさせてくれなかったんだろう……神様は)










 クラス代表決定戦、一夏と秋八の専用機が届いたらしい搬入口に何故か四季も連れられていた。

「なあ、箒……」

「うん、多分ボクも一夏兄さんと同意権だと思うよ」

「なんだ、一夏、秋八?」

「思い返せばハードなトレーニングだったな……」

「うん
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