■■インフィニティ・モーメント編 主人公:ミドリ■■
壊れた世界◆ラストバトル
第六十六話 共闘
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場晶彦に対して、文句を叫ばずにはいられなかったのだ。
「茅場晶彦! これがお前の望んだ結末なのか!! プレイヤーすべての今までの努力を、ゲーム経験を欺き、ルールの枠組みから外れた方法でプレイヤーを殺すなら、これはゲームじゃなくてただの殺戮だ!! なんか言ったらどうだ、茅場ーー!!!」
マルバの叫びは石造りの空間にこだまし、プレイヤーたちの剣戟の音にかき消されていった――かのように思われたが。
マルバたちのすぐ近くに、システムアラートを現す赤いウィンドウが音もなく開いたことに、彼は気づかなかった。
「……いかにも。これは私の望んだ結末では、ない……ッ!」
絞り出されるような低声。ノイズの乗った声が次第に鮮明になる。それと同時に、赤い鎧に身を包んだアバターが、ポリゴンの欠片を引きずりながらどこからともなく出現した。赤いシステムアラートが彼の周りを取り囲んでいる。彼がうるさそうに手で払うと、アラートは瞬時に消え失せた。
「茅場晶彦……!」
「茅場だ……」
「ヒースクリフ……まさか……」
一瞬、戦闘中のプレイヤーの動きが止まる。ヒースクリフがエネミーとして現れたのか、プレイヤーとして現れたのか、区別ができなかったのだ。
ヒースクリフは状況を一瞥するまでもなく、剣を抜きながら、流れるような一撃をボスに打ち込んだ。
「私はこんな結末を望んでいない! このようなゲームに対する裏切りを、私は許さない!! 頼む、きみたちの力を貸してくれ給え!! こいつを……殺す、ためにッ!!」
どんなに理不尽なシステムを課そうとも、今まであくまでもSAOをゲームとして見ていた茅場が「殺す」という単語を用いただけで、その場のプレイヤーはこのボスモンスターが茅場によって設計されたものではないことを知った。決して彼自身を信用することも、仲間として見ることもできなかったが、少なくとも敵の敵として利害関係が一致していることは確かだった。
動くことができるプレイヤーは、ヒースクリフとミドリを先頭にして即座に隊列を再編成した。ヒースクリフの神聖剣の一撃を食らってノックバックしたボスから、倒れ伏すプレイヤーを守るように立つ。
「このような場で、再びきみと戦う時が来るとはな」と、ヒースクリフは言った。
「……お前とは会いたくなかった」と、ミドリは返した。彼の頬に、涙が伝っている。
二人が短く言葉を交わすと、すでに戦場はプレイヤー側の優勢に傾いていた。ヒースクリフとミドリがすべての攻撃を叩き落とし、無効化する。ヒースクリフの思惑は分からないが、彼の設計した神聖剣は防御のみに特化すれば決して崩せない要塞として機能していた。彼一人がボスの目前に張り付いてほとんどすべての攻撃を叩き落とし、遠隔攻撃が来るとミドリが躍り出て迎撃する。二人
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