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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
第百三三幕 「138億年越しのフォークロア」
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聞かせてもらいましょうか』

 そしてこの変わり身の早さである。
 夢の世界なのをいいことに何故かバリっとしたキャリアウーマン風の服装と髪型に変化して銀縁眼鏡をクイっとする鈴の姿がそこにあった。彼女の脳内の真面目イメージを固めたらこんな感じなのだろう。どうやら完全に全裸空間の性質を把握したらしい。

 ――強念とは本来、絶対運命に干渉する力なり。絶対運命への干渉、それすなわち現実の歪曲なり。

『………スプーン曲げるどころの話じゃなくなってんですけど』

 念力でスプーン曲げるとかイメージしていた鈴だったが、いつのまにやら「食べるためにスプーンではなくサイコキネシスで直接カレーを口に運ぶ」レベルの話に発展し始めている。それはそれで楽かも……と考えるあたり、結構現金な女の子である。

 ――されど、強念を自在に操るには果てしなき鍛錬と天賦の才覚が必要なり。

 ――汝、破邪強念を有せども、その資質は未だ弱なるが故に力不足なり。

 ――然るに、強念の資質を極めることから始めねばならぬ。

『はーい、しつもーん!』

 ――応えよう。申してみよ。

 学校の授業みたいに手を上げる鈴。もはや麟王をナメくさってると勘違いされても仕方ないレベルに達しているが、麟王は別に気にした様子もない。この場合、麟王の心の広さを褒めるべきか鈴の順応性の高さを褒めるべきか。
 閑話休題。

『その強念を鍛えてエスパーになる事とアタシの体の成長はどう繋がるワケ?』

 ――汝の肉体が時を静止させたるは、吾と汝の融合が遠因なり。

 ――すなわち、吾が力と汝が力は共依存となっている。

 ――汝の強念にて吾が本来の力を取り戻したらば、汝の心の臓を再生させることも可能なり。

 ――心臓の再生が叶うほどの強力を得たらば、吾は別の器にその身を移す。

 ――さすれば汝の肉体は再び時を取り戻し、成長することが(あた)うであろう。

『おぉぉ〜……流石はISを操った存在。力さえあれば心臓まで取り戻せるんだ。……ん?ちょっと待って……アンタそんなに強い力を元々は持ってたのよね?』

 ――然り。

『じゃあなんで今はないのよ?あのペンダントの中に眠っていたせいなの?』

 それは当然の疑問だった。そんな人知を超えた超パワーをもともと持っていたんなら、なんでペンダントの中で眠っていたのだろうか。こういっては何だが、そんなスゴイ力を持っているのならもっと歴史に名を刻むほど凄い事をやらかしていそうなものだし、細々と凰家に伝えられる胡散臭い存在にならずに済んだ気がするのだ。
 しかし、世の中の凡その違和感には理由があるものだ。

 ――太古の昔、吾を含む数多の超機人がこの世に生み出された。

 ――吾らは長きに
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