第7章 聖戦
第155話 再召喚
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おそらく、その原罪と言う部分のハルケギニア世界的な変更が、始祖を殺したのが女性と言う事となるのか。
「成るほど、総大司教の言う事ももっともだ」
……くだらないな。そう考えている俺に対して、しかし、ジョゼフはその中世的な思考に凝り固まった発言に対して理解を示した。
成るほど、どうやらこの事態は俺を試している可能性が高い。そう言う事なのでしょう。
そもそも、この総大司教の爺さんはそれほどガチガチに凝り固まったブリミル教原理主義者などではない。それでなければ、宗教的に言うとゆるゆるで、更に言うとガリカニズムなどと言う、ロマリアの教皇の権限を制限出来るような主義を主張する王家と敵対する事なくやって行く事など不可能。
大体、ハルケギニアの国々で聖堂に税を課しているのはガリアだけ。もっとも、貴族にすら税を課しているので、法の前では貴族であろうと宗教家であろうと、更に言うと農奴であろうとも平等と言う事なのかも知れないが。
まぁ、何にしても、ロマリアの教皇と言えばブリミル神の代理人と呼ばれる存在。コイツの言う事は、ブリミル神の言葉と同じ物。そう理解すべきトコロなのに、ガリアの王はその威光に従う必要がない……と言う思想をこの爺さんはあっさりと受け入れている。
このような人物から発せられたにしては、先ほどの発言は宗教的に言って余りにも四角四面過ぎる。
そして、片やジョゼフの方は本来ブリミル教が忌み嫌う夜の一族の王。表面上だけなら未だしも、内面では神の教えに縋る必要性など一切、感じていないはず。
おそらく、歴代の王の大半がブリミル教の教えの都合の良い点だけを統治に利用して、都合が悪い部分は無視をし続けて来たのでしょう。
但し、例えこのふたりがそのような教えに意味がない……と考えて居たとしても、この場に集まっている連中が必ずしも全員同じ考えだと言う訳ではない。
「さて。ではどうするかな、ルイス?」
自らの妻となる女性であろうとも、他者の使い魔となる事を良としないか。
それとも、その運命すらも易々と受け入れて見せるか。
俺に与えられた選択肢としては珍しくどちらを選んだとしても割と簡単に自らの正当性を主張出来そうな二つを提示してくるジョゼフ。誰とは言わないが、ハイとイエス。それに任務了解の三つの答えしか許さないと言う暴君と比べると有り難過ぎて涙が出て来る。
但し、故にどちらを選んでも構わないが、この場に集まった貴族どもを完全に納得させてみせろ、と言いたいのでしょう。
しきたりや因習に囚われた古い支配階級の代表たちを。
……ならば。
「総大司教。ひとつお伺いしたき事があります」
ジョゼフの問いを最後まで聞いた後、一瞬だけタバサを顧み、再び正面を向い
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