第12話『造られし者〜対峙した時代の光と影』?
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義で、貴様は違和感を覚えていたはずだ」
翻訳器官。それは、獅子王凱がエヴォリュダーに転生した際、後天的に獲得した能力である。
Gストーンがもつ異世界リンク機能であり、あらゆる言語を認識、知覚、輪郭を、まるで既視感のあるように再現させる。
日本語、英語のように、同一世界ならさほど負荷は掛からない。ただ、異世界や多次元間では、相互議定疎通が必要となる。これが発動すると、多少の発熱にやられてしまうことがある。
――そう、凱は気づかなかった――
――久しぶりの平穏と、暖かみのある、『アルサス』という甘園が、心を無防備にさせたのだ――
「……コシチェイは、獅子王凱という遺体の一部を切り取られ作られた……『我らは造られしもの』だ」
――俺……の?――
「そうだ。確かに『貴様の墓』はこの世界にある」
ギャレオンに救われた凱は、その一命をとりとめる為にサイボーグ手術を施された経緯をもつ。
脳以外の肉体9割を機械化し、壊死した部位は切除されて、自身の墓へ埋葬された。
その為、日本では戸籍上死亡扱いとなっており、しっかりと自分の墓もある。
「……『竜』とは……西暦2012年の異次元体襲撃異次元化した生物の成れの果て、つまり、元は人間」
ヴォジャノーイ……ガヌロン……いや、コシチェイ……ドレカヴァク
スラブ神話の精霊の名を冠する者達。
人ならざる者達。
全ては、造られし者たち。
竜具も。
魔物も。
竜も。
神々も。
あの時代の戦い……その負の遺産が……この世界を苦しめている?
――ここは……俺の知っている……地球だと?――
推測する仮説に、凱は固唾を呑んだ。
「これらの事実から分かるはずだ。始めから竜や魔物など存在しない」
「『銃』は『弓』へ引き継がれ、『戦機』は『戦姫』へ受け継がれ、『竜器』は『竜具』へ転生し、『AI』は竜具の『意思』として輪廻していった」
「この時代の人間どもが神々と敬う連中も、かつては人間だった……そう。『はじめから異世界などという概念は存在しない』」
〈これで分かっただろう!私は『私』を許さぬ理由が!〉
ついに、竜をも貫くガヌロンの手刀が!勇者の懐に風穴を作る!
崩れゆく処刑台の木屑が、勇者を埋葬する。燃え盛る抱擁に抱かれて。
受け入れがたい、事実と共に。
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超越せよ。――次元空間の革命を!!――
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