第12話『造られし者〜対峙した時代の光と影』?
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は、貴様の時代にあふれる暗黒物質を、この時代へ導く集束装置。生命の肉弾……『銃』は、『弓』に対する緩衝装置だ」
「もういい。ドレカヴァク」
先ほど遮った凱とは違い、今度話を中断させたのはガヌロンだ。まだ凱を『銃』と呼ぶ因果関係が見えないのだが、分かったことはある。
少なくとも、魔物たちは真実を語っている。凱にもその事は感じられた。そして、ヴォジャノーイがヴォルン家の弓を強奪しようとした部分については、まだ判明していない。
ゆっくりと凱の前に歩み寄るガヌロンは、嘲笑して語り出す。
「貴様の時代……『銃』と『戦機』そして『竜器―ヴィークル』に比べ……」
ガヌロンの見えざる歯がきしむ。その言葉に、凱の思考は引っ掛かりを覚える。
「この時代……『弓』と『戦姫』そして『竜具―ヴィラルト』はあまりにも弱すぎる。それが許せんのだ!『銃』!貴様のような超越体が!何故この時代へ闊歩しに来たのだ!」
「……な……に?」
不思議な沈黙がガヌロンに、憤怒の怒号となって、感情を高ぶらせる。
「殺す!」
凱が身構える前に、前かがみになってガヌロンは襲い掛かってきた!
かろうじて反射神経は働いてくれて、凱は紙一重で回避に成功する。素通りしたガヌロンの右手は大地に陥没する。石材粉砕に加え、かすかな地割れを引き起こすガヌロンの拳撃は、彼の攻撃力をそのまま再現している。
「ならば!ブロウクン……」
獅子篭手を剥奪されIDアーマーのない今の状況において、威力低下は否めない。しかし、反撃しなければ、あの破壊された地面と同じ運命をたどるだろう。
「赤熱銃弾はやめておいた方がいい」
「お前に指図されるいわれはないぜ!」
「粉塵化した廃材が周囲を巻き込むぞ。もっとも、付近の人間を巻き込んでも、我々は構わんがな」
枯れたような声が、凱の聴覚に入り込む。ドレカヴァクの忠告に、仕方なく従った。言われた通り、目の前の危機に対して、ブロウクンマグナムを咄嗟に放とうとしてしまった。これでは空間障壁もどうなるか分からない。
だが、凱は戦いを諦めたわけではない。
「そういや!一つ聞き忘れたことがある!ティッタを攫おうとしたのはなぜだ!?」
今でも思い返すと、怒りがこみ上げてくる。あの魔物が下した、ティッタに対する仕打ちを――
「……『女神』の事か。私は私の目的の為に、ヴォジャノーイと、そやつは、自らの腹の中に収める為にだ」
「何!?」
さらに激怒する凱の闘志!そして、ガヌロンも同じく目的を共有していた地点で、銀閃殺法で蛙の魔物と同じ運命を負わせたくなる。
『不殺』は守る。だが、『死ぬ
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