第三十七話 三年生なのでその七
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「だからね」
「おみちのことを勉強する道ね」
「そう、高校を卒業してもこのことは決まってるから」
「大学行かなくてもなのね」
「さっきお話に出たけれど専修科の道もあるし」
確かに天高の娘はあまり行かない過程ですが。
「本部勤務、若しくは大教会に伏せ込みさせてもらうか」
「そういえばちっちって奥華だったわね」
「あちらで伏せ込みさせてもらうか」
「どっちにしてもおみちね」
「そう、進路はね」
他にはないといいますか。これがいいか悪いかはわかりません。ですが私の場合はお家が教会だからです。
「そうなるわ」
「じゃあ問題はお婿さんね」
「旦那様ね」
「いい人に来て欲しいわよね」
「そうなのよね、ただね」
「ただっていうと?」
「それは選べる立場じゃないのよね」
私は少し苦笑いになって言いました。
「来てもらう、っていうかね」
「相手の人がいてくれてこそね」
「そうでしょ、こうしたことは」
「そうね、私の実家も教会だけれど」
この娘もそうです。
「お兄ちゃんが跡を継ぐけれど」
「やっぱりお嫁さん必要よね」
「そのお嫁さんにはね」
この娘も言うのでした。
「来てもらう立場なのよね」
「そうなのよね」
「間違っても来いとかはね」
そうしたことは思うこと自体がです。
「こうまんよね」
「そうよね」
「そうしたことを思うと」
それこそです。
「誰も来ないわよ」
「そうそう」
こうしたことをお話してです。
私はあらためて友達にこう言いました。
「大学のことも気になるけれど」
「一番はお婿さん?」
「来てくれないとね」
結構というか相当に切実な問題です、こう書くとお店みたいですけれど天理教の教会もこの辺りの事情は一緒かも知れません。
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