第三十一話 街を歩きつつその四
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「今は長崎を楽しみましょう」
「観光をして」
「一緒にね、本当にこの街はいい街よね」
二人で巡ってみてさらに実感したことだった。
「ずっといたい位よ」
「私もそう思うわ」
優花もだ、笑顔で言った。
「高校を卒業したら神戸に戻るけれど」
「それでもよね」
「ずっといたいわ」
「そう思わせてくれる街ね」
「ここはね」
まさにというのだった、優花も。
「坂道が多いけれど最近その坂道が愛おしくなってきたわ」
「あら、そうなの」
「こうして歩いているだけで」
くるくるとまではいかないが明るく回っていた、その坂道の上を。その仕草は少女のものでかつての優花はしなかったことだった。
「幸せになれるわ」
「それだけ長崎が好きになってきてるのよ」
「だからなのね」
「そう、幸せを感じてるのよ」
「そういうことね」
「それにしても。明るいわね」
優花本人を見てだ、優子は微笑んで言った。
「今の貴女は」
「そうかしら」
「とてもね」
「暗くない?」
「貴女が?」
「ええ、どうなの?」
「全く」
これが優子の返事だった。
「そうじゃないわよ」
「だといいけれど」
「ええ、だから安心してね」
「むしろなのね」
「凄く明るいわ」
「自然とね」
優花も答える。
「笑顔になれるっていうか」
「気持ちとしてなのね」
「だからね」
「学校楽しいのね」
「凄くね、クラスメイトの皆がいてお勉強の方もね」
「調子がいいのね」
「神戸にいた時と同じ位ね」
優花は元々成績優秀だ、ただ生粋の理系である優子とは違い彼女は昔から文系でありそちらの科目の方が得意だ。
「いいわ」
「じゃあこのまま勉強していって」
「大学行けるみたい」
「それはいいことね」
「学校の成績もいいし」
今話した通りにだ。
「それにね」
「クラスメイトとも仲がよくて」
「女の子の友達も何人かいて」
そしてというのだ。
「男の子の友達も出来たきたわ」
「それはいいことね、ただね」
「男の子にはなのね」
「急に迫って来る子もいるからね」
「それ他の女の子にも言われたわ」
「だから注意しておいてね」
例え友達であってもというのだ。
「あまり二人だけにならないことよ」
「男の子とは」
「勿論女の子は自分だけとか女の子の方がずっと少ないとか」
「そうした状況にもならないことね」
「そうしたことも気を付けないといけないのよ」
女の子の場合はというのだ。
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