第一幕その八
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「あんたに負けたくないわ」
「猫としてよね」
「この毛並みは自慢なのよ」
エリカにとってもです。
「あんたのガラスの身体にも負けないわよ」
「だからなのね」
「私は寝ないといけないけれど」
それでもというのです。
「手入れはするわ、それにね」
「それに?」
「王宮の人に頼んでお風呂やブラッシングもお願いしてもらうわ」
そうしたこともするというのです。
「それでもっと奇麗になるわ」
「毎日そうするの」
「そう、毎日よ」
まさにというのです。
「今もそうしてるけれどね」
「そうそう、エリカって凄く奇麗好きなんだよね」
トトも言ってきます。
「本当に毎日お風呂に入るしね」
「あんたもそうだけれどね」
「僕もお風呂とブラッシング好きだよ」
「それでそのお風呂とブラッシングをもっとよくしてもらってね」
「今以上に奇麗になりたいんだね」
「この毛並みはガラスに負けないわよ」
これがエリカの自負です。
「だからそうするわ」
「そうなんだね」
「ええ、そしてね」
またここで欠伸をしたエリカでした、そのうえで言うことはといいますと。
「よく寝るわ」
「何でそこでそう言うの?」
ビリーナはエリカのその言葉に突っ込みを入れました。
「寝るって」
「だって寝ることこそがね」
「いいっていうのね」
「睡眠不足は健康の大敵でしょ」
「それはその通りね」
ビリーナも認めることです。
「確かに」
「だからよ」
「あんたは今から寝るの」
「これまで以上に毛並みの手入れはするけれど」
それと一緒にというのです。
「じっくり寝ることも続けるわ」
「無理して起きてその分手入れはしないの」
「そんなことしても何にもならないでしょ」
「起きている分だけ毛並みが悪くなるから」
「そう、だからね」
「寝るのね」
「そうするわ」
まさにというのです。
「そうするから」
「ううん、何かマイペースね」
「猫だからね」
エリカの返事はあっさりとしたものでした。
「そうなのよ」
「それは私もよ」
ガラスの猫もです。
「好きなことをして生きているわね」
「猫って何ていうかね」
ここで言ったのはナターシャでした、その言うことはといいますと。
「本当に何でもかんでもマイペースね」
「それが猫よ」
「そうなのよ」
二匹でナターシャに答えます。
「だからね」
「それで納得してね」
「知ってるけれど」
それでもと言ったナターシャでした。
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