第58話 最低
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行動に面食らった。
「本当に......本当に御坂さんは、サソリさんをそんな目でいたんですの?」
「そ、そうよ。信用出来る訳ないじゃない」
違う
言いたいのはそんな言葉じゃない
なのに口から出てくるのは、サソリを否定する言葉だけだった。
座り込んでしまった御坂に合わせるように湾内は立ち膝になると自分の携帯電話を取り出して、サソリに電話をした。
「サソリさんと話しをしてくださいですわ」
「うっ!」
御坂は湾内から渡された携帯電話を手にすると耳に当てる。コール音の後に良く知るサソリの声が聴こえてきた。
『......御坂か?』
「そうよ、別にアンタにとやかく言われる筋合いはないわ」
予想では、ここで激しい叱責が来るわね
しかし、サソリは予想外の事を話し始めた。
『景色はどう見える?湾内達の顔の様子は?』
「は?何よそれ。別にあたしの対応にショックを受けているわよ」
『......やはりか......少し待て』
すると、電話口から印を結ぶ声が聞こえると唐突に。
『解!』
サソリからの電話からそう聞こえた瞬間に御坂の目に張り付いていた写輪眼がボロボロと崩れていった。
「あ......」
霞掛かっていた世界がくっきりはっきりと見えるようになり、御坂の心臓がゆっくりと呼吸に合わせて、規則正しく動きだす。
御坂は身体の変化に戸惑いながらも携帯電話から流れてくるサソリの声に耳を澄ます。
『幻術に罹っていたようだ。これで大丈夫だろ』
「何で分かったの?」
『......御坂のクローンについての情報は手に入れてある。黒幕についても目星はつけてある』
手に入れてある?
そっか......サソリに知られちゃったか
合理主義のコイツの事だから、あたしの行動や計画について訊いてきそうね
あたしが小さい頃に提供したDNAマップが事の発端
それによってアンタの弟子の命を懸けたゲームが始まってしまった
全てあたしが元凶なワケで......
幻術に罹っていようがいまいがその悪魔は覆る事はない
過程はどうであれ、結局結果だけをみれば同じ言葉
いっそアンタになら責めらた方が楽かもね
「幻滅した?あたしが黒幕だとでも思うの?」
いつも思い付きだけで行動して、後先考えないでやって周りを巻き込んで......
最低な人間だ
『......いや違うな。黒幕はお前じゃない』
淡々と冷静にサソリは言葉を繋げた。
「えっ?」
『オレ達が辿りついた相手は『ゼツ』って奴だ。お前が悪いんじゃない』
いつものような強い口調で言い切ったサソリに御坂は身体を震わせた。
責められた方が楽なんて嘘だった
誰かに理解して貰って助けてもらいたい
「ぁ......ま......ウソでも、そう言ってくれ
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