暁 〜小説投稿サイト〜
フロンティアを駆け抜けて
それぞれの夜
[1/5]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
始めてフロンティアブレーンに勝利したジェム。ポケモンは回復してもらったが大分連戦して疲れも溜まっているということで今日は部屋に戻って休むことにした。いつほかのトレーナーが襲ってくるかわからない以上寝食をダイバと共にすることになるわけだ。フロンティアにはたくさんのトレーナーが集まる以上、宿泊施設が用意されているので、そこに泊まろうとジェムは提案する。

「いや……その必要はないよ。僕はパパとママから部屋をもらってるから。ついてきて」

 ダイバはそう言うと、ジェムを案内し一つのホテルへと向かう。いくつか用意された宿泊施設の中でもひときわ高級そうなところで、日の暮れたフロンティアに上品な明かりをともしていた。
その中に入り、ダイバはフロントの人といくつか会話を交わす。その間ジェムはテレビの中でしか見たことのない特別な雰囲気をきょろきょろと見渡している。建物そのものもそうだが、中にいる人もエリートトレーナーやジェントルマンなど、なんとなく気品のある挙措の人間が多い……気がした。

「ほら、カードキー貰ったから行くよ。……あと、あんまりきょろきょろしてると変に思われるからやめて」
「え!?う、うん。わかったわ」

 特に笑われたりはしていないが、そういう物なのかなとジェムは思う。ともかくエレベーターに乗り、自分たちの拠点となる部屋のドアを開ける。

「わあ……広い」
「……こんなもんじゃないの?」

 花の模様で彩られた大きなソファに、3人くらいで寝ても大丈夫そうなベッドが二つ。テーブルにはおいしそうなお菓子が置かれ、ガラス張りの向こうにはお風呂まで用意されていた。俗に言うスイートルームというやつである。

「まるで一つの家みたいね、すごい」
「……君って本当にチャンピオンの娘?一緒にこういう所に来たりしないの?」

 呆れるような、冷めた反応のダイバ。ジェムの親であるチャンピオンはその地位故結構なお金を持っていると思うのだが、ジェムの反応はかなり庶民的だ。

「うーん、お父様もお母様もあんまりこういう、高級そうなところ?って好きじゃないみたいなの。お仕事でパーティーなんかに出ると落ち着かないって苦笑いしてるわ」
「……ふーん。うちのパパとママとは大違いだ」
「でしょうね……ふあ」

 ダイバの両親が派手好みっぽいのは今日会ったネフィリムのことや、この島そのものを作ったエメラルドのことを考えれば容易に想像がつく。頷きながらソファに座ると、その柔らかさと一日中バトルしていた疲れで一気に眠気が襲ってきた。

「寝ちゃわないうちに先にお風呂に入ってもいい?疲れた……」
「……今日一日で随分とメガシンカを使ったからね。そうしたら」

 メガシンカはポケモンとトレーナーの絆の力―
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ