【ネジおじさんとヒアシ伯父さん】
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ちゃんにカワイイって言われるよりおじさんに言われた方がヒマはうれしいなぁ...!」
ヒマワリは照れながらネジの胴回りにぎゅっと抱きつく。
「そ、それって何か、おれとしてはショックだってばさ……」
「ボルトよ、そう気を落とすな。私もネジよりはヒマワリに懐かれないからな……」
「じぃちゃん...、いつかネジおじさん越えてヒマワリを振り向かせてやろうってばさっ」
ボルトとヒアシは妙な密約を交わすが、直後のヒマワリの言葉にそれも脆く崩れる。
「ヒマは将来、ネジおじさんとケッコンするんだもん! だからおじさんは、誰ともケッコンしちゃダメなんだよっ!」
「───何!? ネジよ、お前が見合い話を受けないのはその為か……?!」
「マジかよおじさんっ! おれは兄ちゃんとして、ヒマワリをそう簡単に渡さないってばさ!!」
「ちょ...ッ、誤解するな伯父さん、ボルト。俺はそんなつもり───ふぉッ...?!」
ボルトとヒアシはネジだけに向けて雪玉を投げつけ、ネジは思わず身を縮めてされるがままになる。
「……ちょっとお兄ちゃん、おじぃちゃん……、ネジおじさんイジめるの、ヒマが許さないんだからねっ!!」
見ていられなくなったヒマワリはいつもの薄蒼い瞳から白眼に切り替わり、素早くボルトとヒアシとの間合いを詰め強烈な柔拳を一発ずつ食らわせた。
……二人は後方に吹き飛び、仰向けに雪の上に倒れ込んだ。
「ひッ、ヒマワリ、いくら俺の為とはいえやり過ぎだ。……ボルト、伯父さん、大丈夫か?」
「うあぁ、やっべぇ、動けねーっ。やっぱヒマワリ怒らしちゃダメだってばさ……っ」
「はは...、そのようだな。元気な孫には敵わんよ。私も歳を取るわけだ……」
苦笑気味に、雪のちらつく空を見上げたままのヒアシに、ネジがふと微笑を浮かべ労るような優しい声音で言葉を掛ける。
「───あなたにはまだ、この子達の“おじいちゃん”でいてもらわないと困る。父様の分も…、まだまだ元気に生きてくれ、ヒアシ伯父さん」
「フフ...、心配するな。弟のヒザシの分まで、大いに長生きしてやるとも」
「ふ、その意気だ、伯父さ───くしゅッ」
「...あっ、ネジおじさんクシャミしたぁ! カゼ引いちゃったのかもしれないよ、お家に入ろっ?」
「あ、いや、俺なら平気だヒマワリ。それより二人を動けるようにしてやらないと……」
「お兄ちゃんもおじぃちゃんも丈夫だから平気だよ〜、ヒマとおじさんは先に帰って“おこた”であったまろ♪」
ネジはヒマワリに背中を押されて家に向かわされ、ボルトとヒアシは降り積もる雪の上に取り残された。
「なぁじぃちゃん……、いくら何でもカゼ引くの、おれ達だ
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