【ネジおじさんとヒアシ伯父さん】
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それは、まだ日向の次期当主が正式に決まっていない頃の事だった。ネジは、ヒアシの自室に呼び出されていた。
「───だが本当に良いのか。大戦後に呪印制度は廃止され、宗家と分家の隔たりを無くしていこうとする上で、周囲の者も日向の次期当主にはネジ、お前が相応しいとしている。それは我が弟……、お前の父ヒザシの願いでもあったろう」
「...私には、今さら日向当主に拘わる理由はありません。父上なら、判ってくれるでしょう。───次期当主としての責任をハナビに押し付けるような形にとられるかもしれませんが、私なりの自由な立場で可能な限り力を貸し、日向の新しい未来を担って行きたいと思っています」
「そうか……。ハナビは、出来れば次期当主は従兄のネジに譲りたいと常々言っていたが、『自分が日向当主になるにしても、その心構えはとうに出来ているし、兄様が当主になっても全力で支えていくから、父上は安心して見守っていて』と...、言ってくれてもいる。お前達に日向の未来を託す事が出来るとはいえ、責任を押し付けているのは寧ろ、私なのだろう」
「そんな事はありません。これは……、自分達にとって自由な意思の選択の一つです。“大切な家族”を守って行きたいと思うのは、自然な事ですよ」
ネジは微笑を浮かべ、ヒアシはそれを見て在りし頃の弟のヒザシの家族に対する優しさを、改めて身に染みて感じた。
「ならば、良いのだが。───それでネジよ、お前に一つ頼みがある」
「何でしょうか」
「次期当主をハナビに譲るにあたって、私の事は“伯父さん”と……、呼んでくれて構わぬ」
「え...? ヒアシ様を、“伯父さん”と……ですか」
「実際お前の伯父なわけだから……丁寧語も、そんなに必要あるまい。大戦時は身分を関係なくしていたわけだし、ヒナタやハナビにはとうに敬語はやめているだろう。私にもそうしてくれて良い。これを期に、“対等な家族”として在りたいのだ。今更、都合の良い話に聴こえるだろうが」
「いや、そんな事は……。では、その……、ヒアシ、伯父───さ、ま。...ぁ」
妙な気恥ずかしさで口がもつれ、下向いてしまうネジ。
「フフ……まぁ、すぐには無理でも、少しずつ慣れてくれれば良い。───ヒナタとうずまきナルトが一族間の枠を越えて結ばれ、子も授かってお前ももうすぐ“従兄妹伯父”となるのだ。私は“祖父”になるのであって……、弟のヒザシは“大叔父”になるわけだな」
「あ…、確かに、そうですね。私の……俺の父様も、大叔父さんに────。そして俺は、ナルトの義兄になりその子供の、おじさん……ですか。はは、何だかおかしな話というか、感慨深いものですね」
照れたように思わず笑みをこぼす甥のネジに、ヒ
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