初披露
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出してもいいのはこいつくらいのものだろう。
「カグラちゃん!!頑張れぇ!!」
「負けんじゃねぇよ!!」
「キレんなよ」
余裕綽々な小さき魔術師とは断り、焦っているのは人魚の鱗。その中でも彼女と同じギルドに所属しているネコ耳の女性は、ギルドのエースがなす統べなくやられる姿に動揺を隠しきれずにいた。
「これが・・・シリルの実力だというのか?」
そして、彼女と戦ったことのある銀髪の青年は、カグラさんの実力を把握しているだけに、その場にただ立ち尽くすことしかできないでいた。
カグラside
「竜魔の砕牙!!」
目で捉え切れないほどの脅威的な速度で脇腹を切り裂く小さな竜。シリルと正面で向かい合っていたはずだったのに、彼女は私の後ろに瞬間移動と見まごうほどの速度でやって来ており、彼の通った道筋には浅く、それでいてはっきりと足跡がつけられていた。
ガクッ
脇腹に受けた攻撃のダメージによりその場に膝をついてしまう。こいつ・・・
(あの妙な模様が出てから、異常なまでに速度が上がっている)
今まで戦ってきた誰よりも早く、力も十分といっていいほどのものがある。これは・・・
(とんでもない奴が現れたものだ)
エルザやリオンに並ぶ・・・いや、その二人すら越えていくかもしれない実力を手にした少女に、思わず笑みが溢れる。やられているから笑ってしまっているのではない。ただ純粋に、ここまでの相手と手合わせできることが嬉しくて仕方ない。
「そちらが全力なら、それに答えるのが礼儀だろう」
最初からこの魔法を使っていれば楽に進められたはずなのにそれをしなかった。つまりこの状態には何かしらの欠陥があると考えていいはず・・・しかし、一体どんな欠陥があるのか、微塵も想像ができない。
(一番考えられるのは持久力・・・だったら・・・)
一度飛ぶように後ろへと下がって間合いを取る。使用のタイミングと早く試合を決めようという怒濤の攻めから、シリルが短期戦に持ち込もうとしていると読んだ。だから距離を取って時間をかけていき、持久戦に持ち込んでみせよう。そう思っていた、それなのに・・・
ダッ
開けたはずの距離が、一瞬にして埋められていた。
「何!?」
間髪空けずに間合いを詰めて攻撃を繰り出すそれは、私の得意とする攻めと全く一緒。しかし、真似たというよりも、こいつの場合は体が反応したといった感じだろうか?
「竜魔の顎!!」
「うっ!!」
両手を握り合わせ、横に振るうように腹部を叩きつけてくる水竜。しかし、こちらもそれになんとか耐え、踏みとどまったそ
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