初披露
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真っ直ぐに飛んでいき、そびえ立っていた真っ白な四角い柱に大きなへこみを作り出した。
「竜魔の・・・」
「!!」
大ダメージを受けている柱を驚いたような目で見ていた人魚の背後から、上空から攻めるように飛び上がり腕へと魔力を溜める。それに気付いた彼女は振り返って俺の姿を視野に入れるが、それももう遅い。
「翼撃!!」
水と風の巨大な翼を作り出し、隙だらけだったカグラさんを狙い打ち。完全に無防備を晒していた彼女は避けることなどできるわけもなく、その体を見事に強襲していた。
「うああああ!!」
初めて聞いたかもしれない彼女の悲鳴が会場中に響き渡る。魔法の勢いに押され地面を転がっていく人魚。しかし、こちらはそれに安心して攻撃の手を緩めるようなことはしない。
「竜魔の鉤爪!!」
「なっ!!」
転がりが弱まり、立ち上がるための姿勢に入ろうとしたところで顔面目掛けて蹴りを放つ。相手の姿勢ができる前に徹底的に攻める。これが勝利の鉄則だろう。
「このっ!!」
これ以上の猛攻はまずいと悟ったのか、無理矢理な体勢から剣を振るって流れを変えようと試みるカグラさん。しかし、その動きも俺の目にははっきりと見えており、頭を下げて回避すると、そのままアッパーパンチのように下から上へと拳を突き上げる。
「がはっ」
顎を打たれ、脳が揺れ、思わず膝から崩れ落ち地面に手をつける黒髪の人魚。彼女の手にいつも強く握られ、肌身離さずに持っていた不倶戴天が、宙に浮き上がり、地面へと深く突き刺さった。
レオンside
「バカな・・・カグラが・・・圧倒されている?」
信じられないような光景に呆然とし、立ち尽くしているリオンくん。しかし、彼のその反応には全員が納得できる。なぜなら、それだけ予想できなかったことが起こっているからだ。
「シリルすごい!!」
「いつの間にあんなに強くなっちゃったの!?」
互いの手を取り少年の強さに喜びを露にしているのは天空シスターズ。彼女たちは新たな力を駆使して強敵を圧倒する少年の姿に見とれ、惚れ惚れとしていた。
「ウッソォ!!シリルがカグラさんに勝っちゃうの!?」
一方、そのとなりに腰かける少女はまさかシリルがカグラさんに勝ちそうになるとは思ってなかったらしく、驚きすぎて反応が明らかにおかしくなってきている。てかあいつ、さっき「シリルが勝つ」って言ってたよな?あれは社交辞令だったのか?
「どうせならカグラさんの服をエロく切り裂いて――――」
「そういうと思ってた」
ソフィアだったらきっとそんな希望を言い出すと思っていたよ。女性が圧倒されているなら、誰だって抱く希望なんだろうけど、口に
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