初披露
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レオンside
「なんだ?あれは・・・」
ガタッと椅子を倒し立ち上がるリオンくん。彼は倒れた椅子に気付いてないのか、ビジョンの中に映る少年の腕に釘付けだ。
「ウェンディ!!あれ何!?」
「ソフィアたちあんなの初めて見たよ!!」
彼と最も親しく、常に行動を共にしている印象がある少女にあの模様の正体を聞こうとそちらを見る天神とセクハラ娘。俺たちも気になったので彼女の方を見るが・・・
「えっと・・・私もわからないよ?」
ウェンディもシリルのそれを初めて見たらしく、友人たちに迫られてビクビクしていた。
「ウェンディも知らないの?」
「じゃああれって・・・?」
二人は幼い頃からずっと一緒だったと聞いている。それなのにウェンディが知らないということは・・・
「最近覚えたばかりの何かってことか?」
シリルが覚えたばかりなのならば、ウェンディが知らないのも無理はない。しかし、この状況でそんな新技に頼る必要性はあるのか?
(よほど自信があるのか?それともただ向こうの動揺を誘おうとしているだけなのか?)
いずれにしても、戦いが始まってみれば答えは出る。シリルのとっておきがどれほどのものなのか、じっくりと観察させてもらおうかな。
シリルside
久々に腕に現れた真っ黒な模様。最初はこんな忌々しいものを刻み込みやがってと怒りを覚えたものだが、今となってはこれほど頼りになる力はないのかもしれない。以前から使っていた水天竜よりも強く、高い攻撃力を得ることができるのだから。
「んじゃ、行きますか」
キッと鋭い目付きでカグラさんを睨むと、彼女もそれに対抗するように、厳しい視線を送ってきた。
「竜魔の・・・咆哮!!」
公の場での初披露の技は最初に敵に破られた魔法の進化版。普通のブレスがさっきあっさり破られてしまったので、今回は威力を上げてのリベンジだ。
「何度やっても同じこと」
それに対しカグラさんはもちろん対抗してくる。そりゃそうだ、だってこの技は敵からしたら一度打ち消すことができた魔法なのだから、今度も打ち破って流れを呼び込みたいといったところだろうか。
ガンっ
ぶつかり合う刀と水と空気の混ざり合った波動。黒髪の剣士はぶつかってきたブレスに全力で刀を押し込み、切り裂こうとする。だが、さっきのブレスと今回のブレスは威力が全然違う。それはおそらく、真っ正面から向き合っているカグラさんが、一番わかっているのではないだろうか?
「くっ」
歯を食い縛り全身全霊で抵抗しようとしていた彼女は、悔しそうな表情を浮かべ、押し出していた刀を引っ込め魔力の塊を後ろへと受け流す。流されたブレスは
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