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テキはトモダチ
16. 命令 〜電〜
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はなあに?」
「ユウダチの真似はやめていただきたい。貴公たちに中将閣下より作戦命令が下った」
「俺達、今出撃ボイコット中なの知ってる?」
「承知だ。ゆえに作戦命令が下ったのだろう。貴公は中将閣下によほど嫌われているらしい」
「まぁ怖い。それでも出撃はせんと言ったら?」
「貴公たちにこの命令を拒否する権利はない。そのための私だ」
「どういうこと?」
「本日より作戦完了まで、私がこの鎮守府に合流する」

 ……んん? ロドニーさんがこの鎮守府のメンバーの一人になるのです?

「バカな! 必要ありません!!」

 ロドニーさんの横に立っていた赤城さんが、険しい顔で司令官さんにそう言い放っていた。それを受け止める司令官さんの顔はいつものように覇気がなく、目が死んでいる。

「言ったはずだ。貴公たちには私を拒否する権利はない」
「合流と言うと聞こえはいいですが、要は督戦隊ではないですか!!」
「考え過ぎだ。私は貴公たちの助力を中将閣下に命ぜられただけだ」
「信じられません!」
「確かに貴公とは一戦を交えてみたいがな。だが戦場で仲間の背中に砲を向ける愚行を喜んで下命される私ではないぞ」

 赤城さんとロドニーさんの間の空気が、今までにも増して冷たくなってきた。二人の間に漂う空気は、もはや戦闘中のそれに等しい。赤城さんとロドニーさんの二人は今、意識内で戦いを繰り広げているようだ。

「……ちなみにさ。この命令を拒否したら、お前さんはうちに何かするつもりなの?」
「何もしない。ただ報告をあげるだけだ」
「……」
「その結果、貴公たちが中将閣下からどのような処分を下されようが、私は感知しない」
「……」
「敵の最重要人物を保護し、敵陣に送り届けたという貴公たちの行いは反逆罪にもつながる。そう考えている中将閣下がどのような判断を下すか……私より聡明な貴公であれば、分かるはずだ」
「そういう子供じみた意趣返しはやめなさいよ……意外とやることが子供じみてセコいね」
「貴公は反逆罪で逮捕の後に銃殺刑。艦娘たちは良くて解体処分……運が悪ければ鎮守府ごと抹殺といったところか……」

 そう言い、ロドニーさんは司令官さんに対してニヤリと笑っていた。司令官さんの目は相変わらず死んだ魚のように濁っていた。一方で赤城さんはロドニーさんの隣で悔しそうに歯ぎしりをしている。

 会話の内容が難しくていまいちよく分からないが、要は私達は何か出撃命令が下されたようだ。しかもロドニーさんという監視つきで。現在ボイコット中の私達に対し、中将さんが業を煮やしたらしい。

 もしこの命令を無視すれば、司令官さんは反逆罪で逮捕……私達は良くて解体処分……どうしよう。いやだ……私は戦いたくない。出撃したくない。友達たちと殺し合いなんかしたくない
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