第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#22
METEOR STORM 〜PHANTOM BLOOD NIGTMARE?〜
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ないじゃないわ。
でもどーすんの? 今のままじゃ私には近づけない。能力も解ってない。
はっきりいってツンでるんですけど。
例えるならガラスの麻雀牌。
こっちの手は見えないのにそっちはスケスケだから
何をしたってダメダメよ」
退屈そうに片腕を伸ばしながら、余裕の体裁でアイリスは告げた。
「なんかつまんないし、もう終わりにする?
空条 承太郎とか、花京院 典明とのゲームの方が面白そうだし。
正直アンタ倒しても、 “アノ人” は喜んで――」
伏せた眼で、剣呑に告げられた少女の言葉がソコで途切れた。
自分の左頬を、猛烈な速度を伴うナニカが掠めていった。
驚愕に眼を瞠る間もなく、ソレは背後遠方の壁に跳ね返り
(金属音がしたのは遙か後)
続いて天井の梁、窓ガラスの珊、更に受け付けのテーブルと
あらゆる遮蔽物に弾け廻り、自分の周囲を駆け巡る。
空間の軌跡が織りなすその形容は、さながら刃で出来た白銀の檻。
中に閉じ込めた者を、触れる事すら許さずに切り刻む
処刑台の意味合いも兼ねている。
絶え間ない斬閃の余韻が冷たい空気に滲む緊迫の中、
白銀の檻を形成したナニカが操者のもとへ戻っていく。
カシン、と静謐な感覚が耳に響いた後、
ようやくアイリスの柔らかな頬から一筋の血が滴った。
「フッ、ガラスの牌に足下を掬われたのは、どうやらそちらのようだな?
我がスタンド 『銀 の 戦 車』 の “奥の手”
サーベルの 『剣針』 を超高速で飛ばし、自在に弾き返して敵を葬る。
もっとも、相手に突き刺さると剣がなくなるから多用は出きんがね」
スタンドの切っ先を鋭く少女に挿し向けながら、
ポルナレフは百戦錬磨の雰囲気を称えそう告げた。
レンズの中の双眸が険難にツリ上がり、
屈辱の怒りで輪郭を震わせる少女の傍で
スタンドの貌も同様に変わる。
「情けを、かけたってワケ? アタシが、女だから」
確かに、予測も予想も出来ない攻撃だった。
スタンド型 の、完全に裏を衝かれた攻撃だった。
先刻の一撃、威嚇ではなく心臓か脳を狙われていたら……
歴戦のスタンド使い、しかも 『近距離パワー型』 のスピード、
“遠隔操作” のスタンドではこの距離で対応出来ない、
『能力』 も間に合わない。
まさか、こんなヤツにこんな能力が有ったなんて。
“アノ人” 以外に命を助けられるなんて。
アイリス本人にしか解かり得ない、
能力の火球よりも凄まじい炎が裡で燃え盛った。
「さて、決着はついたな? 自分の敗北が解らぬほど愚かではあるまい。
無用な殺生は好まぬ。
代わりに、一つだけ答えてもらおうか?」
「――ッ!」
射出可能な剣針を喉元に突き付けたまま、
ポルナレフは峻
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