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STARDUST唐eLAMEHAZE
第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#22
METEOR STORM 〜PHANTOM BLOOD NIGTMARE?〜
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レイムヘイズではなかった頃の自分。
 大国の姫君として生まれ、何不自由なく絢爛に暮らしていた日々。
 でも。
 誰にも、誰にも、愛された事がなかった。
 親にも、兄妹にも、傅く幾千の者達にも。
 皆、自分が生まれながらに持つ強大な権力の座を求めて
寄り添っていただけ、争っていただけ、利用しようとしていただけ。
 最初は違っても、いざそれが “手に入る” という幻想に取り憑かれると、
ソレが “眼に視えていない分だけ” 、誰も彼もが嘘のように豹変した。
 そんなもの、より強大な力に呑み込まれてしまうだけの、
砂の城に過ぎないのに。
 でも、皆が自分を視るのは 『ソンナモノ』
 自分の存在を通して大国の力を視ていただけで、
一人の人間、 “ヴィルヘルミナ・カルメル” として
接してくれた者は誰もいない。
 時代の終焉、蹂躙される祖国、焼け落ちる砂城の中で
フレイムヘイズに成った後も、
凍てついた心の傷は折に触れて自分を苛んだ。




“皆が私に優しいのは、フレイムヘイズだから? それとも……”



 決して口には出せない、 『出してはいけない』 禁断の問い。
 でも抑えれば抑えるほど、否応なく膨れあがる不安。
 仲間(みんな)が大切なら大切なほど、
“アノ日” の虚無と恐怖が容赦なく襲ってくる。
 結局、答えは見つからないまま、誰もがそうするように
『言えない秘密』 を抱えたまま、
今日まで心の一部を凍てつかせて生きてきた。
 それで良いと想った。
 望むモノが全て手に入ると無根拠に盲信するほど、
もう自分は子供ではなかったから。
 使命に没頭している時は、全てを忘れる事が出来たから……
 それ故に、さながら 『運命』 の戯れの如く
突き付けられた一つの 「答え」
 誰にも、「本当意味で(ヴィルヘルミナはそう想い込んでいる)」
優しくされた事のない彼女は、喜ぶよりも先にただ困惑するしかない。
 ソレが彼女にとって良かったのか悪かったのか、
意味は示されぬまま歯車は回る。
「ったく、手練れの 『スタンド使い』 が一人いるってだけで
こうも巧くいかないモノ?
ティリエルにフレイムヘイズはバカばっかって聞いたから
楽勝だと想ったのに」
 最近ハマっているカードゲーム、
ルールを説明しながらほんの数回プレイしただけで、
自分に競り合う程の実力を見せた異世界の少女の言葉を
アイリスは信用していた。
「待て、貴公のスタンド能力、
確かに凄まじいが彼女に対する侮辱は許さん」
 背に受けた傷は 「名誉」
正真なる騎士の瞳を光らせてポルナレフはスタンドを構える。
「ハイハイ、 “呪いのデーボ” に受けた傷が治ってないみたいだもんね。
短期戦にしたがる気持ちも解ら
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