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STARDUST唐eLAMEHAZE
第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#22
METEOR STORM 〜PHANTOM BLOOD NIGTMARE?〜
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》は片手でも充分成し遂げられる。
 ズームアップで迫る少女の口唇に浮かぶ微笑。
 ほらきた、頭上からの破砕音。
 膨大な熱量を持ち、石材を焼き溶かしながら降下するナニカが
自分の進攻先を着弾点として交差を迫る。
 不備なし、憂慮無用、破砕音を耳が感知した刹那、
既に叛撃の一条は放ってある。
 ソレをそのまま幻像にブツけ、自身は 「本体」 の少女に……
 ?
 チョット、待て。
 自分は今、どうしてこんなに物事を “考えられる” 余裕がある?
 まるで、時間が超圧縮して、過去も未来も等速で流れているような。
 ア、レ?
 これって、もしかして……
「幾らなんでも無茶だッッ!!」
「――ッッ!?」
 背後から響く怒声と強く肩を掴まれた痛みに意識が覚醒した。
 予測着弾点の目の前、瞬時にその場所がフェードアウトしていき、
爆砕した天井からゴバッ! と猛烈な光を放つ火球が消し炭となった
リボンの残骸を撒き散らして降り注ぐ。
 先刻までのモノとは比較にならぬ破壊力と精密性、
後退しているのに迫る熱気が頬を打つ。
 大理石の床に着弾した火球、地下の、そのまた奥底にまで突き抜けたが、
衝撃で飛び散った石礫が視界に焼き付いた。
「シルバー!! チャリオッツッッ!!」
 青年の傍で空間を併走していた騎士が、
即座に背を広げ瓦礫の散弾を受け止める。
「ぐ、おおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
 コレにより自分は無傷で済んだが、代わりにポルナレフの背中が
炎傷を伴った穿孔で抉れ血が噴きだした。 
「は……! はぁ、はぁ、はあぁ、無茶だ……
スタンド戦を知らないとは云え、
能力の解らない相手に真正面から挑むなど。
相手は既に幻 像(ヴィジョン)を出していた。
“何の意味もなしに” そんなコトをすると想うか?
『遠隔操作』 だと言っているのに、
本体(じぶん)の姿を晒し、招き寄せるのはオカシイだろう」
「……」
 焼け焦げた、血と鉄の匂い。
 再び青年の腕に躰を支えられながら、ヴィルヘルミナの脳裡に
フレイムヘイズ “以前” の追想が回帰した。
 言われてみれば、至極当然のコト。
 自分の焦慮と慢心が招いた、余りにも手痛い異能(スタンド)の洗礼。
 でも、一番痛いのは、苦しい、のは……
「チャリオッツが、鎧を纏った幻 像(ヴィジョン)で助かった。
君の顔に傷でもついたら、この身引き断たれても償いきれん」
 自分の代償を被った青年が、少しも自分を責めない処にあった。
 とても、痛かったに違いないのに、
己の負傷よりも自分の顔に傷が付かなかったコトを、
本当に心から安心しているようだった。
(そんなに……優しく、しないで……苦しい……よ……)  
 否応なく想起される、フ
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