第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#22
METEOR STORM 〜PHANTOM BLOOD NIGTMARE?〜
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った。
「改めて、ラスト・ステージへようこそ。
J・P・ポルナレフ、セイクリッド・ラヴァーズ」
ややサイズの大きい、ゆったりとしたパーカーのポケットに両手を突っ込み、
限定モデルのスニーカーで大理石の床を鳴らしながら少女は歩み寄る。
澄みやかな杏色の髪と瞳、スラリとしつつもふくよかな双丘と大腿部。
眼鏡を外せば超絶クラスの美少女には間違いないが、
そうでなくとも正当とは別の魅力が彼女にはあった。
スタンドの射程距離ギリギリ、近距離型のスピードにも充分対応出来る
間合いで少女は歩みを止める。
それだけで相手の力量を察知した青年と淑女が、
互いの気配を張り詰めさせた。
「先刻からの攻撃、不意打ちとはいえ見事な手並み。
名前を、お聞かせ願えるか?」
「アイリス・ウィンスレット。
スタンドは、遠隔操作型スタンド
『プラネット・ウェイブス』
流石に能力までは教えられないケドね」
二つに括った髪を手の甲で流し、
少女は己の分身を背後に出現させた。
「!」
「!?」
本体の見かけとは不釣り合いな、合成の強化筋繊維を捻って引き絞り
人型に設えたかのようなスタンドの幻 像。
盲目の瞳と茫漠たる表情、頭部天頂には重く分厚い器具が装着されている。
深海の生物のように、不気味な発光を繰り返す全身。
スタンドに、男女の概念は(基本)ないが、
ソレにしても少女の操るスタンドは、
あらゆる意味でアンバランスだった。
まるで、別の誰かから能力を借り受けてきたような、
或いは無理からスタンドを少女の裡に嵌め込んだような、
そんな不自然さをポルナレフに抱かせる。
「ポルナレフ殿。 “すたんど” は、一人一体。
そして 「本体」 を倒せば能力は消滅する、でありましたな?」
肩口の高さで、片目を包帯で塞がれた織女が視線を交えず訊く。
「あ、あぁ、そうだが、それが一体?」
「なれば良し、であります」
即座に桜色の火花が弾け、左腕に浮かぶ無数のリボン。
研磨された大理石をミュールの踵で歪ませ、
手負いとは想えないスピードで
ヴィルヘルミナはアイリスに強襲した。
(押し通る……!)
(滅砕……!)
繊細麗美な風貌だが、元来迂遠な方策は好まない性格。
想わぬ事態の連続で後方の男とは長い付き合いになってしまったが、
それも此れ切り。
さっさとこの人間を片づけて自分は
“アノ方” のもとへこそ行かなければならない。
出自の解らない異能に幾分苦しめられたが、
ここまで距離が接近していればもう問題はない。
「頭上」 から攻撃が来るのは確認済み、
ましてや幻像や生身の人間の打撃など
自分に取っては止まっているに等しい。
戦技無双の|叛撃《カウンター
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