暁 〜小説投稿サイト〜
ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
人形-マリオネット-part3/残酷な真実
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「平賀君、平賀君ってば」
体を揺すられる感触が伝わり、サイトは顔を上げた。自分を君づけする人は一人しかいない。ハルナが起こしてくれたのだろう。
「ん、ああ…やっと魔法学院に帰ってきたのか」
「なに寝ぼけてるの?もう下校時間だよ」
「え?」
体を起こしたサイトは意識をはっきりさせ、周囲を見る。
そこは、魔法学院でもなければハルケギニアの景色でもなかった。かつて自分が地球で授業を受けていた、高校の教室だった。自分もハルナも、学校指定の制服だ。赤い夕日が教室の中に差し込んでいる。
「夢…?」
サイトは、だんだんとハルケギニアのことが思い出せなくなった。夢とは起きると同時に記憶からも忘れ去られていくもの。サイトは夢の中で、なにか大きな出来事に何度も直面してきたような気がしたが、それがなんだったのかよく思い出せなかった。
「ほら、起きて。今日は私と平賀君が日直なんだよ」
「日直?」
だが、本当にそうだったのか?という疑問がサイトの頭の中を過った。こんなところで、悠長に日直だなんてやっている場合なのだろうか?
「日誌書こう。見ておいてあげるから」
日誌を書くように促すハルナだが、彼女の声は耳から耳へと、そのまま突き抜けていく。
違う、俺はこんなところで立ち止まっている場合じゃないはずだ。もっと大事なことがあった。はずだ。思い出すんだサイト!自分に言い聞かせながら、サイトは本来自分が何をすべきか記憶をたどると、すぐに思い出した。
「そうだ、俺は確か…ルイズの魔法で召喚されたんだ。その時、ゼロと一心同体になって一緒に怪獣や侵略者と戦っていた!」
「ひ、平賀君!?」
思わず机から立ち上がって大声を出す彼に、ハルナは思わず驚いてしまう。
「俺がこうしている間にも、侵略者は怪獣や兵器を利用して、奴らの侵略でたくさんの罪のない人達を苦しめている。こんなところで、悠長に日直だなんてやっている場合じゃない!」
でなければ、かつての自分のような孤独にさ迷う悲しい人達が増えてしまう。サイトには耐えがたいことだ。自分以外にも頼れる戦士たちはいるのだが、自分と同じウルトラマンであるシュウは連絡がとれず、グレンはウェールズを二度と利用されないためにラグドリアン湖で彼の眠りを守り続けている。レオも既に星を去っており、今はサイトが…ウルトラマンゼロだけがこの星の守護者なのだ。
「平賀君…何を言ってるの?」
「ごめん、ハルナ。俺はすぐに行かなきゃ…」
思い出せば、この世界こそ夢だ。あくまで目の前の彼女は自分の見ている夢の世界の人。せめて一言詫びをいれて、サイトは立ち去ろうとした。
…が、ハルナの口から予想外の言葉が飛んできた。
「そっか、やっぱり平賀君は地球よりも異世界の方を優先するんだ」
「え…?」
サイトは教室の扉のドアノブに触れようとしたとこ
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