人形-マリオネット-part3/残酷な真実
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」
「敵は…レコンキスタは我が国の内部に入り込み謀略を巡らせていました。ならば今回、このように城の周囲の復興予定地にも何かある可能性を確かめるべく、これまで銃士隊や残存の魔法衛士隊隊員を中心に、私はこの赤い地点に調査に向かわせました。その結果…新たに奇妙なものが設置されていることがわかりました」
「奇妙なものを?」
「ええ、黒い立方体の物体です。これらがなんなのかは今も調査中です。ただ一つこの物体について判明しているのは、これらの物体は現場から動かすことができないということです。なので調査を任せている者には現場で調べてもらっています」
「現場から動かせない、ですと?怪しいですな」
アンリエッタからの報告にあった、これまでのトリスタニアの復興予定地に置かれ、動かすことができない謎の黒い物体。きな臭さを覚えずにいられなかった。
「申し上げます!」
その時だった。会議室にトリステイン兵が一人飛び込んできた。
「何事だ。今は会議中だぞ」
「突然お許しください!二本角の黒い巨人が市街地に出現!」
「ッ!」
会議室にいる者たちに衝撃が走った。
あの黒い巨人が…ダークファウストが街に再び出現した。
だが、ただ現れただけではない。
同時期に、サイトの身に悪夢が降りかかろうとしていたことを、ルイズたちはまだ知らない…
サイトは城の中にいる人たちに、黒髪の少女が来ていないか、とにかく聞き込みを行った。貴族は宛にならなかった。サイトが貴族じゃないと見ると、「平民ごときが貴族に気安く話しかけるな」と、傲慢な態度で返してくることが多かったからだ。正直こんな偉ぶったり威張るだけの貴族が気に入らないサイトは殴りたい衝動を抱えながらも、城内の使用人を中心に、ハルナのことを聞き込み続けた。
そんな中、彼女らしき少女が城を出たと言う話を耳にした。
サイトはすぐに城の外に出て、ハルナの行方を追っていく。しかし…
「くそ、どこに行っちまったんだよ…」
街はまだ、これまでの戦いの爪痕が色濃く残っていた。最近は、ミシェルに死の悲劇をもたらしたリッシュモンが呼び出したムルチの攻撃のせいで、被害が拡大した。
建物の倒壊地点には、トリステインの兵たちが集まり、被害状況を確認している。
「しかし、なんだこの物体は。ディテクトマジックにも反応がない」
「マジックアイテムの類でも、魔法で精製されたものでもないということか」
彼らは今、現場にポツンと置かれた黒い立方体の物体を調べていた。今王宮で進行中の会議の通りだ。サイトもその現場の状況を遠目から見ていた。気にしていたが、今はハルナのことが気掛かりだったこともあり、放っておいてハルナ捜索を続ける。
しばらく走るとサイトは路上に、あるものを見つける。不思議にも見覚えがあったので、近づいて拾い上げた。
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