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ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
人形-マリオネット-part3/残酷な真実
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族以外にも有能な平民を貴族に取り立てる制度で国力を蓄えている一方、トリステインが古き伝統にこだわりすぎて国力をすり減らし、あまつさえ貴族と平民の溝を深めたことで弱小国となってしまったことが大きかった。
今のトリステインは、怪獣災害に耐えてきたという強いイメージを他国に知らしめているため、アンリエッタは婚約を破棄した状態で同盟を締結することができた。しかし、ゲルマニアは自国がまだ怪獣や異星人、黒いウルトラマンたちからの被害を受けていないことをいいことに、それを恐れてトリステインに軍事に関して助力することを渋っていた。理由としては他にも、ウルトラマンの存在である。彼らがいるなら大丈夫だろうという温い考えが、実はゲルマニア政府内で流行っていた。ウルトラマンの戦いを直に見たトリステイン貴族たちは、彼らも敗北の危機に何度も陥ったことを目の当たりにしたこともあって、アンリエッタをはじめとした一部の者を中心に警戒を高めている。当然、傍観者となっているゲルマニアに対して、ただでさえ伝統を重んじるあまり彼らを嫌うトリステイン貴族たちは、一層彼らに対する評価を下げていた。
なんとしてもゲルマニアに軍事方面で力を借りなければならなかった。これについて、アンリエッタは女王として自分が自らゲルマニア皇帝に話をつけることを検討した。
「……」
怪獣を操り、異星人という強力なバックをつけているレコンキスタを相手に、まだまだ問題が山済みのトリステイン。ここまで事態が緊迫していることに、ルイズたちは改めて息を呑んだ。
「して、陛下。例の件については…」
「例の件?」
会議に参加していた将校の一人の発言に耳を傾けたルイズは思わず声をこぼす。
「失礼、今は会議中ですので、群議に加わっておられない方の私語は慎まれよ」
「す、すみません…」
公爵家三女で陛下の女官といえど、今のルイズは本職の軍人である彼らよりも立場は低い。思わず声を漏れ出したことに謝罪し、押し黙る。
「ええ。市街地の地図と、これまでこのトリスタニアで起きた被害状況の資料まとめを」
「はっ!」
アンリエッタの命令で、会議室のデスクの上にトリスタニア市街地の地図が広げられる。
ルイズたちもこれに注目した。
市街地の地図には、応急を中心に市街地が広がっている。だが、ところどころ被害の強弱によって赤いラインや点が打ち込まれている。それもおびただしい数だ。地図でもわかるほどにトリスタニアは痛めつけられていたことが伺える。
「この地図上の赤い点は、強い被害を受けた箇所の中でも現在復興作業中の地点を表しています。逆に青い点はまだ作業が未完了および手付かずの状態のものです」
(これは…!)
アンリエッタの言葉とその地図に打たれた赤い点の位置を一通り見て、一同は目を見開いた。
「城を中心に、赤い点に囲まれている…
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