人形-マリオネット-part3/残酷な真実
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ろで、ハルナの方を振り替える。
「一緒に帰ろうって約束したのに、私を守ってくれるっって言ってたのに…約束を守ろうともしないで行くんだ」
なんだ…?ハルナの声が冷たくなっている。彼女はサイトを見ずに、彼とは反対の方角の窓の外を眺めている。しかも、美しかった夕日の光が消え失せ、真夜中のような漆黒の闇が教室を包み込み始めた。
嫌な冷たい空気が二人の間を行き交う。この周囲の変化に、ハルナは全く動じていない。
「平賀君は、地球のことなんかどうでもよくてハルケギニアの方が大事なんだ」
「な、何を言い出すんだよ!俺はそんなこと思ってなんか…」
「じゃあ、どうしてルイズさんのことばかり気にするの?地球に帰ることに、あの人は関係ないじゃない。なのにどうして、私の約束よりも、ルイズさんの方を…」
「落ち着けハルナ!話を聞いてくれ!」
弁明しようと試みるサイトだが、さっきからハルナはこちらを振り向かず、サイトを非難し続ける。
「そんなに異世界やルイズさんたちが大事なら、もういいのよ…
どうせ私は一人ぼっち…
異世界に無理やり呼び出され、唯一の知り合いがその世界のことばかりを気にして…
ただ、闇に消えるだけの道化なんだ…」
その時だった。暗黒の闇が、ハルナの姿を、サイトの視界からも消し去ろうと、彼女の姿を覆い始めた。
「待ってくれ、ハルナ!そっちに行ったらダメだ!」
「なら、平賀君も一緒に行きましょう?誰の目にも届かない、永遠の闇の中へ…」
すると、ハルナはサイトの方を振り替える。その直後だった。闇はサイトさえも飲み込もうと、嵐のようにうねり、覆い始めた。
「は、ハルナ!」
その時の彼女の顔を…姿を見たサイトは…恐怖した!
彼女の顔は…
「さようなら、平賀君」
闇の世界で、また会いましょう…
「うわあああああああああ!!」
ガバッとサイトは起き上がった。
「うわ!?ど、どうしたんだサイト君?」
そのやたら激しい起き上がり方に、傍らにいたムサシが驚いた。
「あ、俺…」
意識がはっきりするサイト。そこはトリスタニア城の、サイトたちに用意された客間だった。そうだ、ルイズの実家から戻ってきて、少し姫様から話をしてもらってすぐにここで休ませてもらってたんだっけ。
「大分うなされてたね。何か夢を見てたのかい?」
「俺、寝てるときに何か言ったんですか?」
寝言を聞かれるとは少し気恥ずかしいものだが、ムサシの顔つきが険しめだ。
「いや、よく聞こえなかったけど、あまりいい夢じゃなかったように感じた」
「…」
言われてみれば…とサイトは思った。さっきまで、何か不吉な夢を見ていた気がする。でも、結局それが何なのかよく思い出せなかった。
まあ、所詮夢だ。大したことじゃないのだろう。
サイトはベッド
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