人形-マリオネット-part2/狙われた少女
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そうなるんだよ!いいから話聞けって」
サイトはやたら勝手にヒートアップするルイズに話を持ちかけるが中々落ち着くのに時間を要した。
「…で、何よ話って」
やっと落ち着いたところで、ルイズはようやくサイトの話に耳を傾け、ほっとため息をついたサイトは話し始めた。
「ハルナの奴、この世界じゃ俺たち以外に身寄りがないだろ?
そんなあの子がどこかの悪党にさらわれたりしたとしても俺たちが助けないといけない。
だから、どんなに絶望的だとしても俺はあの子が地球に帰るまで、ハルナを守るって言ったんだ」
つまり、あくまで『守るための誓い』であって、ルイズが考えていた愛の告白などではなかったのだ。しかし、あまりにも思わせ振りな言葉にかわりなくルイズはサイトに、勘違いからの羞恥のあまり怒鳴った。
「…そ、それを早く言いなさいよ!このバカ犬!エロ犬!色情犬!」
「なんでそこまで言われてるの俺!?」
特に悪いことなんてやってもないのに、なぜか怒られてる事態に、サイトはただただ困惑させられた。
「まったく、私の使い魔なんだから、下手に思わせぶりなこと言わないでよね!変な勘違いしちゃったじゃない!」
「勘違いって…勝手に勘違いしたのお前だろうに…」
「はいと言え!馬鹿犬!!」
「わ、わかった!わかったよ!」
あまりの剣幕にサイトはとりあえずその場を納めるために頷いたのだった。
はあ〜…と荒い息を吐き、ルイズは息を整えると、サイトの顔和や見るや、妙に憂い顔を浮かべて口を開いた。
「サイト」
「な、なんだよ」
「やっぱり、帰りたい?」
故郷のことを問われ、さっきとのギャップにから少し戸惑いを覚えたサイト。だが、ルイズに対して正直に答えた。
「まあ、確かに…帰りたい。ハルナとも約束したし」
「そうよね…」
そう考えて当然だ、とルイズは思った。我が儘で癇癇癪持ち…自分でも理解しているが直らない、自身の欠点を考えてしまう。こんな子供みたいな女の傍にいるのはサイトも嫌だろう。
でも…嫌だ。サイトが自分の前からいなくなる。そんな想像をするだけで…
次の瞬間、ルイズはサイトに抱きついていた。
「ルイズ!?」
戸惑うサイト。なぜだか、元の素材と今の儚げで弱々しい彼女に、胸が高鳴った。消えそうな声でルイズは彼に言った。
「私が帰らないでって言っても…行っちゃうの…」
「…」
サイトはどう答えるべきか迷った。確かに地球に帰るとハルナと約束した。だが、ルイズのぬくもりが…それを躊躇わせた。
だからせめてもの答えしか言えなかった。
「まあその、なんだ。俺はお前の使い魔なんだから、これからも暫くはこの世界で頑張るさ。公爵さんたちからも釘を刺されたし」
「いいわ…それで」
ルイズはサイトから離れた。
「今日はもう部屋で休むわ。おやすみなさい」
「あ、
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