人形-マリオネット-part2/狙われた少女
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ヴァリエール領からの帰還後…。
一時はルイズが実家に連れ戻されたと聞いて心配したギーシュらだったが、無事に戻ってきたサイトたちをいつものように快く迎えてくれた。
アンリエッタたちが戻ってきたことで、夜にUFZメンバーに改めて召集がかかり、サイト・ルイズ・ギーシュ・モンモランシー・マリコルヌ・レイナール・そしてムサシはアンリエッタの執務室に呼び出された。その場にはジュリオやアニエスもアンリエッタの取る今後の方針を聞くために同席している。ムサシのことは、戻ってきた直後にギーシュらに紹介された。予断だが、モンモランシーはムサシを見て「ギーシュもこの人みたいに誠実だったら…」などと、どうしようもないとわかっていてもつい思わずにはいられない愚痴を心の中でこぼしていたとか。
「女王陛下、ギーシュ・ド・グラモン以下、ウルティメイトフォースゼロ、ただいま到着したしました!」
「楽になさって」
傍らにアニエスを控えさせていたアンリエッタは、跪いて臣下の礼をとるサイトたちを見て、アンリエッタはひとつあることに気がつく。
「あら、ミス・タバサとミス・ツェルプストーは?」
「えっと、用事ができたと言って今日は来なかったんですよ」
「まあ、そうなのですか。それは残念ですね…」
「姫様からの大事な依頼だって言うのに…」
「仕方ないわ。あのお二人は正規のメンバーではないんですもの」
サイトからの返答に、アンリエッタは少しばかり残念そうにしていた。
タバサとキュルケは諸事情でメンバーに入っていなかった。二人は元をたどれば他国から留学してきた身だし、アンリエッタとしてもあまり無理強いは好ましくなかった。
また、ハルナもメンバーではなく、あくまでサイトたちの保護対象者だから、城内まで同行しているが、現在は別室で待機している。
愚痴をこぼすルイズをなだめるようにアンリエッタは言った。
「恐れながら陛下、我らを呼び出した理由はなんでしょうか?」
レイナールは、アンリエッタが自分たちを呼び出した理由を尋ねる。
「まずは、我が国の現状を説明しましょう」
まだ少女らしさを残した表情から、女王としての威厳を強く出した表情に変わった。
現在のトリステインは、平民・貴族の両方からアルビオンに対する怒りが高まっていた。
怪獣を使った圧倒的暴力による侵攻、さらに裏切り者をもぐりこませたり邪な貴族をたぶらかして内部から崩壊させようとしたりと、アルビオンの支配者であるレコンキスタの下種とも取れる手段と、やつらから受けた痛みと屈辱によって、トリステインの人間たちは我慢の限界を超えかけていた。それに伴って、アルビオンを即刻叩き潰すべしとの声が高まり始めていた。
「戦争を…仕掛けるんですね?」
サイトは、神妙な面構えでアンリエッタを見る。
「ええ。そのとおりです。これ以上、
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