『Astragalus』
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言いかけた言葉を飲み込んだ。
良くあることだけど、良くないって解ってるよ。
でもね、君の為なんだ。
言葉にすれば、きっと其れは紛れもない事実になるでしょ?
事実が決して良いとは限らないから...。
止まない雨なんて確かに無いんだろう。
日が昇らないなんて事もきっと無いんだろう。
でも、それでも...在って欲しい。
ほんの少しだけで良いから、残酷な現実から逃げて良い処。
冷たい雨に打たれたって、冷たいなんて感じない。
繋いだ手が温かくなっても、温かいなんて感じない。
誰が何を言っても悪意としか感じれない。
そんな君が痛々しくて、そんな君をどうにか守りたくて...。
行き先は何処でも良かった。
とにかく現実っぽく無い処なら。
意味も根拠も無いけれど、君を笑顔にしたかった。
なんでもできる君が落ち込んでるなんて、らしくないから。
傍にいるよ、君が笑うまで。
だから今は泣いて良いんだよ。
ほら、頼りない此の腕に飛び込んでおいでよ。
僕の全部をかけて、君を精一杯守るから。
ほら、此処一面蓮華草で綺麗でしょ?
一瞬でも醜い現実を忘れられるでしょ?
君の笑顔が零れた瞬間、僕の涙が零れたんだ、嬉しくて...。
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