第72話 会津戦争 終結
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会津藩が降伏するのに、そう時間はかからなかった。
あっという間に藩内に新政府軍に進攻され、家臣達は会津城に籠城を決めた。その為に数々の悲劇が起こった。
飯盛山での白虎隊の自刃。そして、西郷頼母邸での家族の自刃。
松平容保は、苦渋の選択を選んだ。新政府軍に降伏し、会津戦争は終結した。が、
もう一つの戦いも終焉を迎えようとしていた。
土方が再び沖田との戦いに集中し始めると新政府軍の兵士達は土方を見失った。
(総司を倒す機会はそうそうない。ここで決めないとやられるだろうな)
土方は覚悟を決めた。目を閉じ、ふうと一息つき、大きく目を見開いた。
それが、合図になったかのように沖田が消えようとしていた。が、土方の前には敵味方関係なく血しぶきをあげて倒れこむ血の道が土方向かって近づいてくるのが見えた。
土方は頭の中で数を数えていた。沖田の突きを繰り出すタイミングを計っていたのだ。
(1,2,3.ここだ!!)
土方は愛刀・兼定を頭、心臓、胴の順番で素早く防御した。
ガキン、ガキンと刀の交わる金属音が響いた。
「そこにいるんだろう?総司」
土方は沖田の突きをすべてかわすとにやりと微笑んだ。そして、一気に空を斬るように典太を縦一文字に振り下ろした。
「な、なんで?」
沖田は一瞬きょとんとした表情をしたが、土方をみつめて微笑んだ。
「それはな、総司。お前の突きは正確すぎるからだ」
土方は振り下ろした典太をそのままに、沖田を見下ろし言った。
「それはお前の長所であり、短所でもあるのだ。お前にやられた死体からそれがわかった」
徐々に沖田の体がなくなっていく。
「それと、間合いだ。直線的に来るお前の剣は、障害物をよけることなく敵を薙ぎ払いなら来る。どんなに速く移動したとしても血路を見ればわかる」
土方は沖田の弱点を言って言った。
「なるほど・・・・・」
(近藤さん、わかりましたよ。近藤さんの言った意味が)
沖田は消え去る前ににこりと微笑んだ。それは、新撰組を結成し、ともに戦いともに生きていた時の人懐っこい少年の笑みだった。
(近藤さんの次は総司か)
土方の胸中は寂しさと空しさが入り乱れていた。が、すぐにそれを振り払い、大鳥敬介を探し、大声で叫んだ。
「大鳥君、撤退だ!!」
「ですが、どこへ?」
大鳥は大混乱の中叫び返した。
「仙台へ行く」
「仙台へ?会津ではないのですか?」
大鳥は土方に問いかけた。
「おそらく、会津に帰っても、もう、落ちている頃だろう」
「ですが、あそこには斉藤君達が残っているはず。見殺しにならさるのか?」
大鳥は土方の発言に怒りを覚えた。
「斉藤も新撰組の剣士だ。そうそう、簡単にやられなしない。逃げ延びて合流できると俺は信じている」
土方は冷静に答
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