第2章 第2話 素直な狂人
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ないし、意味もよくわかっていないが、ただ、自分の中の悪い部分が外に行ったっていう事だけ理解していた。
「随分なことになってたな外は」
不意に声をかけられたのは少し前までいつものように聞いていたルイスにとって尊敬する存在の声、今まで1度も出てこなかったシグレだった。
「…シグレ様は来ないのかと思いましたよ」
「俺は除け者にされるのが嫌いなんだよ」
「それで、シグレ様は僕にどんな本音を言いに来たんですか?」
「お前、言うようになったな。態度というか、雰囲気が」
「流石に、あそこまで言われては嫌でも変わってしまいますよ…」
ルイスは肩を竦め、遠い目をしながら後ろを振り返りながら答えた。
「俺の本音ねぇ…」
そんなルイスを見てシグレは頭を掻きながら言葉を続けた。
「俺は別にお前とは長い仲では無かったし、お前に文句もないし、そもそも俺は本音でしか話してねぇよ」
「…え?」
その言葉を聞いたルイスは視線をシグレへと戻して驚愕の色を見せた。
「嘘だとでも言いてぇのか?残念ながら嘘じゃねぇさ、お前が一番知ってんだろうが、ここはお前以外の存在の言葉はそいつが思っている本音だって」
「…疑っている訳では無いのです。頭ではきっと理解していますし、シグレ様の事を疑うなど畏れ多いものです。ですが、今までの経験則何でしょうね…」
「…そうかよ、まあ、そうなるのも頷けるけどなあれは…いや、いいや、俺から言うことは一つだ。お前が思う事をやればいい」
「僕が…思う事?」
「そうだ、どうして戦うのか?そんなもん考えなくてもいいんだよ自分にとって邪魔だから倒す。どうして生きるのか?そんなもん生きたいからに決まってんだろ。死にたいと思う奴の方が珍しいさ」
「邪魔だから…生きたいから…」
「そうだ、一族とか、兄とかに拘る事はねぇよ。お前はお前がやりたいように生きるんだ」
「あ…」
「っと、そんな事よりも聞いておきたいが…お前はあいつらを恨み、憎むか?」
「……」
「さっきまでのあいつらの言葉、心ではそれを隠しながら接したやつもいただろうよ。それを憎むか?」
その問にルイスは口元に笑みを浮かべた。
「とんでもない」
「お?」
「逆なんですよシグレ様。隠しながら接していた事を憎むんじゃないんです。隠しながらでも接したくれた事に感謝しているんです。それに隠さず率直にいう人も僕の経験値へと変わるんです。それを憎むなんてする訳がないじゃないですか」
その答えにシグレは目を白黒とさせ、吹き出すように笑った。
「あっはっは、そうかそうか!いやぁ、なんていうか、素直な奴だよお前は。こんな素直な奴クレハ以来見た事ねぇよ」
「クレハ様、
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