第2章 第2話 素直な狂人
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一向に目を覚まさないルイス、心配の色を見せる屋敷の者達、ルイスを気にかけながらもタナトスを警戒するメリー、悠々と経過を待っているタナトス。
「さ、て、そろそろ起きてくる頃合だがね。起きた時彼はどのような状態になっているかね」
ニヤニヤと気味の悪い笑みを浮かべながらメリーに歩み寄る。
「あまり私に近づいて欲しくないわね。貴方の下卑たる目が近づいてくるのは精神的に悪いわ」
「くくく、とても辛辣だがねメリー」
「あまり名も呼ばれたくないわ。そして旦那様にも近づかないで欲しいわ」
「注文が多い事だがねぇ」
タナトスが言われた通り今までよりもルイスより離れた時、ルイスが椅子から倒れ落ちた。メリーがタナトスを睨むが何もしていないと示すように少し澄顔で両手を上げた。
恩賞の効果の事もあり誰も駆け寄ることが出来ない。
「旦那様…」
その時、まるで産まれたての仔羊が立ち上がるようなとても弱々しく立ち上がった。開いた目は虚ろで、焦点が合っていない。
そして誰も声を掛けるどころか一言も発する事が無かった時、始まった。
「く…くは…かはは…ははははは!」
虚ろだった目が光を取り戻したかと思った時、乾いた笑いを少しした後、一転して、狂気じみた高笑いへと変わった。その光景を目にしたタナトスを除いた一同が恐怖を抱き気味の悪さを感じた。
「そう、か、君は取り込まれたようだがね。残念でならないんだがね、ま、致し方ないな、私もまだ死なないようにしなくてはならない。君を殺そう」
天井を見上げながら笑っていたが、その声を聞いたルイスはその笑いを止め、タナトスの方へと向いた。
「……かっはは!」
獲物を見つけたと言わんばかりに口を開き牙と評しても良いほど尖った犬歯を剥き出しながら笑った。
そのまま真っ直ぐとタナトスの方へと歩いていく。
「狂気へと堕ちた者の行動はよく分からないものだがね」
一歩一歩ゆっくりと向かって来るルイスへと手を掲げる。
「フーラル」
唱えられた時、ルイスの右肩から先が鋭い斬撃を喰らったように切断されその傷口から血が噴き出し、ぼたぼたと床を血で染める。
「ははははは!あっははははは!!」
傷を負っていることなど意にも介さず、歩を進めることをやめず、笑いを止めるどころかより一層増していった。完全なる狂人へと化していた。
「これ、は、むしろ狂人というより化け物だがね…
フーラル、フーラル」
進んでいた歩は唱えられた魔法により両足を切断され強制的に止められた。
ルイスは受け身もとることなく右肩、両足から血をまき散らしながら倒れる。
「タナトス!!」
その叫び声はメリーによってのものだった。
「流石にここまで来たら激昴するよ
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