15. あいつらの目的 〜赤城〜
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高速戦艦 金剛
戦闘中に雷巡チ級の雷撃を受け大破判定。そのまま追撃戦を強行。
空母ヲ級と遭遇し航空戦が発生。爆撃を受け轟沈。
ケース3.□□鎮守府:航空巡洋艦 鈴谷
会敵時に潜水ヨ級の雷撃を受け大破判定。撃退後、そのまま作戦行動を継続。
駆逐二級と夜戦で会敵。雷撃を受け轟沈。
ケース4.△△鎮守府:航空母艦 翔鶴
大破判定の損傷を修復せず出撃。
軽空母ヌ級と会敵。航空戦にて爆撃を受け轟沈。
ケース5.○○鎮守府:重雷装巡洋艦 木曾
所属不明艦隊と遭遇し、砲撃を受け大破。帰還命令を無視し追撃戦を強行。
戦艦タ級と思われる艦の砲撃を受け轟沈。
ケース6.○○鎮守府:駆逐艦 雷
練度不足の状況で出撃し大破。囮として艦隊任務継続を命令される。
同艦隊の旗艦・阿武隈をかばい雷巡チ級の雷撃を受け轟沈。
………………
…………
……
シチュエーションの項目を見る私の耳に、仲間の断末魔の叫びが聞こえるようだった。文字を読み進めることがこんなにつらいことだとは思わなかった。
「どお?」
「どおと言われましても……」
我慢して読み進めていく。すべてのケースに『大破判定』という文字が紛れ込んでいる事に気付いた。
「えーと……」
「うん」
「いずれのケースも、大破判定の損傷を受けたまま無理矢理に戦闘してますね」
読むのをやめたくて、口から出たでまかせだった。当たりでも外れでもいい。とにかく、早くこの書類から目を離したかった。
しかし、提督の話はまだ終わらない。
「気分がすぐれないところ申し訳ないけど、もう少し話に付き合って」
「はい」
「赤城はこれまでに何度か深海棲艦を撃沈してるよな?」
「……はい」
「無傷の深海棲艦を、一回の航空爆撃で撃沈したこともあったよな?」
「確かにありました」
「それを頭に入れながら、もう一度見てみてちょうだい。こちらの艦娘が轟沈したケースの中で、そんな記述はあった?」
提督の真意が今一分からないまま書類の内容を振り返る。損傷のない子が敵の一回の攻撃で轟沈したケース……
「ありませんね」
「うん。そうなのよ。あってもいいはずなのに、そんなケースはないのよ。陸奥や長門みたいな最強クラスの戦艦にすら一撃で大破判定の損傷を与えるヤツでも、駆逐艦の子を一発で轟沈させたケースはないのよ。悪くて大破判定」
以前に私は、深海棲艦の砲撃を受けて一撃で大破判定の損傷を受けたことがある。同じ戦いで、球磨さんが同じ敵から砲撃を食らった時……やはり彼女は大破判定の損傷で済んでいた。私を一撃で大破判定まで追い込んだ敵の砲撃……装甲が比較的薄い球磨さんがまともに喰らえば、それこそ一撃で轟沈してもおかしくないはずなのだが……
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