快進撃
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に目くばせした。
「……アレでいくよ、ラティ」
「ひゅううん!」
ラティアスが自分だけに扱える技、ミストボールを放つ。それはメガミミロップの体を狙わず、すぐに霧散してフィールドを覆う霧になった。
「姿を隠して攻撃を避けるつもりでしょうが……その程度でミミロップの目からは逃れられませんよ!おんがえしです!」
ミミロップの目は霧の中を飛ぶラティアスの体をしっかりと捉えていた。ミミロップが跳躍し、しなやかな動きでラティアスの体を狙おうとする――しかし、どんな動きも、いくら分身を作り出しても、実体がある以上フィールドを包む霧を乱さずに通り抜けることは出来ない。
「それはどうかしら!ラティ!」
「!」
ラティアスの目が光る。すると空気中の霧が一気にミミロップの周りに凝縮し、その体躯全体を包む水球となった。動きと呼吸を奪われ、もがくミミロップ。空中で動きを止められ、しかも水の中では動きようがない。
「……やられましたね」
「これが私達の……新しい技よ!ミスティック・リウム!」
念力が水を圧縮し、ミミロップの体を握りつぶす。水でくぐもったミミロップの悲鳴が響き、勝負がついた――
「……さすがダイ君が目を付けただけのことはありますね。あなたの勝ちです」
ミミロップをボールに戻し、ネフィリムがジェムに微笑んだ。勝利したジェムはしばらく無言だったが、ラティアスが近づいてくるとぎゅっとその体を抱きしめた。
「ありがとう、ラティ、皆……私達、勝ったよ!!」
「ひゅうん!」
ラティアスも嬉しそうにジェムに頬ずりをする。ここに来て初めて、ジェムは勝利の充実感を噛みしめることが出来た。ただの子供の様にはしゃぐ様を、ネフィリムは微笑ましそうに見ている。
「うちのダイ君もそれくらい素直に笑ってくれればいいんですけど……はい、これが私に勝った証、タクティクスシンボルです」
「ありがとうございます!」
『W』の形を模した薄紫色のシンボルを手渡される。それを笑顔で受け取って握りしめた後バトル前のダイバへの態度のことを思い出す。
「そうだ、あの――」
「……ダイ君と仲良くしてあげてくださいね。私達ではあの子を笑顔に出来なかったから……あなたに、託します」
言いかけたところで、ネフィリムはジェムにそっと耳打ちした。その言い方は勝負する前のそれとは違って、純粋にダイバのことを想い、ジェムに対等な立場としていてほしいと思っているようにジェムには聞こえた。
「何話してるの……?」
「なんでもありませんよダイ君。あなたが挑戦してくれるのを待ってますからね」
「……」
頷くジェムの様子に違和感を覚えたのかダイバが口
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