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フロンティアを駆け抜けて
快進撃
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。弱点を突いたうえにメガクチートの特性は『力持ち』だ。その怪力の前でひとたまりもないと思われたが。

「電光石火!」
「なっ……!?」

 ニンフィアは起き上がり、目にも留まらぬ速さで突撃してメガクチートの体を吹き飛ばす。華奢な身体からは想像できないほどの力だった。

「まさか――」
「気づいたようですね。残念ですが私は攻撃を受ける直前、スキルスワップを発動していました」

 『スキルスワップ』。自分と相手の特性を入れ替える特殊な技で、使い方次第で様々な戦術を可能にする技。ネフィリムはそれでメガクチートから攻撃力を奪い、逆にニンフィアの攻撃力を倍増した。メガクチートが、自身の両顎を重そうに引きずっている。これでは物理攻撃は難しいだろう。

「……でも弱点を突いた攻撃はそう何発も耐えられないはず!クー、ラスターカノン!」
「本当に多彩な技を使いますね……電光石火で避けなさい!」

 メガクチートの顎から銀色の光弾が二つ放たれるのをニンフィアがスピードで躱しつつクチートの体を蹴り飛ばす。特性を失い、自身の体を動かすことさえままらないメガクチートに、ニンフィアの体は捉えられない。
ニンフィアもメガクチートの鋼の体には決定打を与えられず、そのまま15秒が過ぎた。

「クチート対ニンフィア、『心』は引き分け。『技』はクチート。『体』はニンフィア……よって結果、引き分け!」
「お疲れ様クー。よく頑張ったわ」
「勝ち切れませんでしたか。戻りなさいニンフィア」

 判定が下される。攻撃回数もほぼ互角で体力はクチートの方が少ないが。とにかく弱点をつける技を連続で出したことが評価されたらしい。ジェムとネフィリム。お互いがポケモンを戻す。

「よし、このまま決めるわよ!出てきてルリ!」
「追い詰められましたね……ですが負けませんよ!さあ出てきなさい、三日月の下で舞うしなやかなる野獣……ミミロップ!」

 ジェムはマリルリを、ネフィリムはミミロップを出す。奇しくもお互い兎のような姿をしたポケモンだ。

「ふむ……またフェアリータイプ、かつ特性『力持ち』のポケモンですか。小さくても侮れない。まさにあなた自身の様ですね」
「小さいって言わないで!ルリ、アクアテール!」

 気にしていることを突かれちょっと顔を赤くしつつジェムは指示を出す。飛び跳ねたマリルリの水玉の尾が水で一気に膨らみ、それを叩きつけようとする。

「遅いですね、ねこだまし!」

 だが尾を振りかぶる前にミミロップも跳躍し、マリルリの前で掌を合わせ大きな音をたてる。その音に驚いてマリルリの尾にためた水ははじけ飛んでしまい、フィールドを濡らす。

「だったらアクアジェット!」
「受け止めなさい、ミミロ
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