快進撃
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と、誰が奴隷――」
「ああ……さすがはパパの息子だわ。もう自分で人を従えることが出来るようになるなんて……」
「えっ」
「……はあ」
涙を零し、本気で感激しているらしいネフィリム。彼女はジェムの方に向き直った。ダイバがため息をつく。
「ジェムちゃん……だったわね。幸せでしょう?この子に従うことが出来て」
「……なんでそうなるんですか」
「だってダイ君は、あの人の息子ですもの。あの人のいうことが聞けることはとっても幸せなことなのよ。きっとダイ君にも同じ才能があるわ」
「同じ才能があるとは、限らないと思います」
「そう……あなたがまだその幸せを実感できていないとしても、いずれわかるわ。この子とあの人に使われることが、どんなに幸せなことか」
「……なんなの、この人」
ジェムは狂気じみた理屈と信条に困惑した。目の前の女性は、自分の息子が他人を奴隷扱いしていることを叱るどころか、喜んで涙さえ流している。おまけに言うことを聞くのが幸せだと、確かめるのではなく決めつけている。
「そうとわかればより気合を入れなきゃね。ダイ君がどんな娘を従えているのか、確かめさせてもらうわ」
「言いたいことは色々あるけど……ひとまず、バトルが先ね」
ネフィリムがボールを取り出したのを見て、ジェムも構える。
「出てきなさい。三日月の下で舞い踊る美しき獣、レパルダス!」
「出てきて、クー!」
ネフィリムはレパルダスを、ジェムはクチートを繰り出した。クチートが大顎を開けてレパルダスを威嚇する。レパルダスがわずかに怯んだ様子を見せる。
「漆黒の牙怒りと共に振るわせ、全ての敵を噛み砕いて!」
15秒のカウントが始まると同時に、クチートをメガシンカさせる。その体が光に包まれ、戻ったときにはクチートの大顎が二つになり体が一回り大きくなっていた。
「クー、じゃれつく!」
「初手からメガシンカですか……ならばレパルダス、ねこだまし!」
両者が近づき、メガクチートが大顎を振るう前にしなやかな動きでレパルダスがメガクチートの正面に回り込み、目の前で両前足を打ち鳴らす。大きな音にメガクチートの頭が真っ白になり、怯んだ。
「続けて『ねこのて』です!」
「クー、気を付けて!」
「遅いですよ!」
技『ねこのて』は仲間の技を何か一つ使うことのできる技。故にほぼどんな技でも使うことでが出来、まだ相手の手持ちがわからない以上読むことが出来ない。警戒しようとするが、それよりも早くレパルダスは動いた。
「ニャアアオオオオオオオオ!!」
レパルダスが距離を取り、大音量の叫びをあげる。その声は破壊の音波となってメガクチートの体を打った。鋼タイプのメガ
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