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英雄伝説〜西風の絶剣〜
第19話 決戦準備
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てきた。困惑や興味の含んだ視線、そして一番強いのが……


(歓迎されるとは思わなかったが敵意が強いな)


 チラホラと俺に向けられる敵意を含んだ視線を浴びながら俺は指定された席に座る。


「全員がそろったところで、会談の前提条件をひとつ。ここにいる者たちは普段はいがみ合っていたり快く思っていないものもそろっている。だが今はそういった柵を取り払いひとつの敵を討つ為に団結することを誓えるか?誓えるなら挙手を」


 セルゲイの旦那がそう言うと何人かが手を上げる、無論俺も手を上げた。


「……やはり我慢ならん!!」


 すると奥の方に座っていたある国の軍人の一人が立ち上がった。


「どうなされました?」
「なぜこの会議に猟兵が紛れている!猟兵など信用ならんだろうに!」


 その軍人は俺を指さしてそう怒鳴る、やっぱりそういう風に思う人がいたか。


「そうだ、猟兵なんて汚らしい奴らなど信用できるか!!」
「そいつも教団のスパイなんじゃないのか!!」


 それに便乗するように他の遊撃士や軍人が騒ぎ出した。


「くっ、頭の固い連中が……今はそんなことをしている場合じゃないだろう」
「だがこれでは会議が始められないな……」


 アリオスとガイの言う通りこのままでは会議どころではない。俺は立ち上がり騒いでいる軍人の前に立つ。


「な、何だ。何をする気だ」


 軍人は俺を警戒するが俺はその軍人の前で土下座をした。


「頼む、どうか俺も会議に参加させてほしい」
「猟兵王と呼ばれた男が土下座を……!?」


 この場にいる全員が俺の行動に驚いていた。俺は構わず話を続ける。


「俺には息子がいる、血は繋がってねえが大事な存在だ。その子は教団に連れ去られて人体実験に利用されたんだ。奇跡的に生きて帰ってきてくれたが大事な息子を守ってやれなかったんだ……」
「……」
「奴らは今も罪もねえ子供誘拐して命を奪ってやがる、俺はそれが許せねえ!猟兵が何言ってんだって思うかも知れねえがそれでも俺は親なんだ!息子を傷つけた連中をほうっておけねえんだ!だから頼む、今だけは俺も一緒に戦わせてくれ!」


 俺は必死の思いで頭を下げる。さっきまで騒いでいた軍人は何も言わずに俺を見ていた。


「俺は彼の参加に賛成したいと思います」


 すると離れた場所に座っていた男性が話し出した、俺はその人物を見て驚いた。


「アンタは……カシウス・ブライト!」


 カシウス・ブライト。リベール王国出身の遊撃士であり大陸に数えるほどしかいないと言われる剣聖の一人。
 そしてかの『百日戦役』でエレボニア帝国の大軍に劣勢だったリベール王国を飛行艇を
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