暁 〜小説投稿サイト〜
歌集「春雪花」
281

[8]前話 [2]次話



 久方の

  雲の晴れにし

   星空に

 想いぞうつす

    夜半の月かな



 初冬に入り、不安定な天候が続いていたが…久々に美しい星空が広がる。

 凛とした冬の空気と、どこか立ち去りがたい秋の空気とが入り交じる…。

 待ち草臥れた私の心…待つだけ無駄な人生を、私はいつまで繰り返すのだろうか…。

 そんな私へと…月はその清けき影に私のありったけの想いを紡いでいった…。

 今すぐに会いたい…ずっと一緒にいたい…愛されたい…


 未来なぞ望むべくもなく…叶いもしない夢は、そっと…月影へと溶けていった…。



 君に逢えぬ

  想い淋しき

   晩秋の

 月ぞ落ちにし

      昏き暁



 君に会うことのない今…想いは募り、その分だけ淋しさも募り…。

 冷え込む晩秋の夜…より一層君を欲してしまう自分を窘め、平気を装う…。

 外を見れば、さっきまで光を放っていた月は山影へと消え去り…辺りは闇に包まれて…。

 もう朝になろうと言う時刻だが…私の愁いが晴れぬ様に、朝の光は照らさない…。


 私の朝は…いつ、来るのだろう…?





[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ