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とある科学の傀儡師(エクスマキナ)
第57話 破殺
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鉄界法!!

「あァ?」
周囲の地面へと無差別に襲い掛かる黒い杭は、地形を抉りだして破壊していく。
先程とは、比べものにならない程の爆発に近い衝撃にミサカは片腕で頭を守るようにしている。

はあはあ......目標......完全に沈黙......?

抉り取られた右腕を外套の袖口を縛り止血しようとしていると土埃の中から、白い手か出現して風影の傀儡に触れると次の瞬間にはバラバラに引き裂かれた。

「!?」
バラバラにされた風影の腕がミサカの前に転がり落ちてきた

サソリ様の大切な傀儡が......

ミサカは糸の重さが無くなる感触を味わう前にアクセラレータが呆然とするミサカの左脚を掴むと持ち上げて、地面に叩きつけた。

「あうッ」
「ざァーンねンっ!!左脚を怪我しているみてェだな......」
そして、アクセラレータはズブズブとミサカの左脚の中に何の抵抗もなく侵襲していく。
皮膚が裂け、血が出てくるがベクトル変換により綺麗な白い手のままミサカの脚を赤く滴らせる。
「あっ......あっ!」

そのまま力任せに左脚を引き千切るとアクセラレータは、ニヤリと笑った。
決定的な一撃と思い通りの展開に満足しているかのようだった。

「ぐッ......」
傀儡が壊されて制御を失った毛細血管状に広がっていた砂鉄が崩れ始め、ミサカの上に少しだけ積もる中でミサカは冷や汗を流しながら、最後の力を振り絞るように片腕で立ち上がると、異能力(レベル2)程度の電撃で反撃するが......
アクセラレータの能力により反射されてミサカの身体に電撃がバチンと流れ、ひっくり返るように仰向けに倒れた。

「がぁッ!」
その電撃の衝撃により外套に辛うじて付いていた御坂から貰ったカエルのバッジが取れて倒れた身体の頭方向に転がっていった。

「追いかけっこ、できなくなっちまったなァ」
引き千切っミサカの左脚をゴミのように投げ捨てた。
ベチャと気持ち悪い音が辺りの静けさと相まって、一際大きく聴こえた。

「このまま、ほっといてもくたばンだろォが。ジッと待ってンのもたりィからよォ......!」
ミサカは片腕を砂利に引っ掛けると力を入れて身体を引きずるように前に進み始めていた。
口には尊敬しているサソリの傀儡の腕を噛みながら、ズルズルとゆっくりと一歩ずつバッジに近づいて行った。

「あァー?よォ、まだ逃げンのかよ。つってもそっちは行き止まりだぜ」
アクセラレータから距離を取るように匍匐前進をしているミサカの意図することが分からないアクセラレータは、壊れた玩具でも見るかのように興味を失い始めていた。

ズルズルと身体を引きずる音と共に、声帯を通過する苦しそうな息遣いの「ヒュウ、ヒュー」とだけ聴こえる。
「......
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