第三十一話 第一機動艦隊
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・・・・。」
讃岐が心底総毛だったように顔を凍らせた。
「そう言わないの。大井さんも北上さんもなくてはならない人です。私たちは二人を護衛しつつ、前進して敵戦艦を攻撃するわよ。」
「はい。そっか。今度は戦艦として戦闘をサポートしないとですね。」
讃岐はうなずくと、主砲の点検を始めた。開戦直前に作動しないということがないようにと言うのだろう。紀伊も念のため艤装を点検することにした。
(今回の戦いはほんの序盤だけれど・・・・それだけに躓くことがないようにしたいわ。)
慎重な面持ちで彼女は胸にそうつぶやいていた。
そして1時間後――。
紀伊たち艦娘はついに敵の支援艦隊をその射程内に捕えることに成功した。
「全艦載機、突撃!!」
晴天に向かって紀伊の手が振りぬかれた。
「能代さん、野分さん、舞風さんは対空戦闘用意!!比叡さん、霧島さんは右翼に展開しつつ主砲で敵戦艦をけん制。愛宕さん、矢矧さん、清霜さん、磯風さんは敵右翼に迂回し、航空攻撃終了と同時に近接戦闘を開始!!そして・・・・。」
紀伊は重雷装巡洋艦の二人を見た。
「私と讃岐が護衛します。有効射程まで近づいたら、空母のみに攻撃を集中!!確実に仕留めてください。」
「別に護衛してもらわなくても平気――。」
大井がそう言った時ものすごい水柱が至近で立ち上がった。ここにきて敵はエリート以上のレベルで固められている。紀伊が出会ったフラグシップ級戦艦の姿も確認できていた。当然その練度は高い。
「・・・・やっぱり、護衛、お願いします。」
「大井っち、無理しない方がいいよ。あたしたちの装甲って基本紙だからさぁ。」
北上と大井を護衛しつつ、突撃してきた敵の軽巡を讃岐が一撃で轟沈させ、続く駆逐艦隊を紀伊がけん制射撃を行い、雷撃地点に近寄らせなかった。その紀伊の左背後をかすめるようにして北上、大井の二人が猛速度で敵艦隊に突撃する。
「北上さん、大井さん、お願いします!!!」
紀伊の言葉がすぐわきを通過した二人の耳に流れ込む。
「了解!!北上さん!!敵のヲ級が増速したわ。逃げるつもりです!!」
「散布角は10度、目の前のヲ級2隻に向けて一斉雷撃、いくよ、大井っち!!!」
「はい!!」
二人は魚雷発射管を構えた。
「テ〜〜〜〜〜〜ッ!!!」
放たれた魚雷は綺麗に放射状に広がっていき、増速を始めたヲ級2隻に3本ずつ命中し、大爆発を起こした。さらに追走するように航行していた敵戦艦ル級フラッグシップと重巡エリートに命中、フラッグシップを大破させ、重巡を轟沈させた。
「今です!!比叡さん、霧島さん!!!」
紀伊が叫んだ。
「了解です。比叡姉様!」
「主砲、構え!!」
二人が主砲砲塔を手負いの戦艦群に向ける。
「主砲、斉射、始め!!!」
轟音と共に放たれた35,6センチ砲が敵
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