第3章:再会、繋がる絆
第72話「再現された“闇”」
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しかし、それすら障壁に阻まれる。
霊力を込め、さらに“徹”も使った一撃なのに、容易く防がれた。
手ごたえはあった。...おそらく、“徹”の影響を受け付けないのだろう。
...理性のない、魔力によって構成された暴走体には、衝撃を徹した所で無意味か。
「ちっ!」
「くっ...!」
障壁により一瞬動きを止めた僕らを、暴走体はバインドで捕えてくる。
僕はすぐに解除したが、奏はそうもいかない。
しかも、その一瞬の隙を突き、暴走体は僕らに魔法を叩き込もうとした。
「させないわ!」
ギィイイン!
だが、それは椿の矢によって阻止された。
椿とユーノの方を見れば、先程の魔力弾を何とか凌ぎきったようだ。
「(闇雲に攻撃しても意味がない。ここは...。)」
椿の援護の隙を利用し、奏のバインドを破壊。
一度椿たちの場所へ行き、態勢を立て直しにかかる。
「(暴走体は司さんの過去の記憶から再現している。...断定はできないけど。再現するのに必要な要素は、大まかにはその人物の特徴や知りうる記憶など。つまり、司さんの記憶やイメージを元に再現しているはず...。)」
相当な強さを、僕は素早く解析していく。
闇の書...導王時代にもその恐ろしさは聞いていたが、ここまでではないはずだった。
少なくとも、いくつかの攻撃を徹せるはずだ。
「(...!そうか、イメージを元にしているなら、強さもそれに依存する!...つまり、この暴走体は、“絶対的な強者”としたイメージの補正がかかっているのか...!?)」
確証はないが、可能性は高そうだ。
そうであるならば、後の偽物との戦いに余力を残すとか考えている場合ではない。
「...優輝、どうするの?」
「...陣形はそのまま。...僕と奏で何とか隙を作りだす。」
椿の言葉にそう答える。
ポジションは変わらない。だけど、今度は本気で食らいつく。
余力を残すための計画性を持った行動じゃない。ただ、“斃す”ために攻撃を仕掛ける。
「っ!」
足元に霊力を固め、それを利用して跳躍する。
同時に、奏も飛び出し、先程と同じように肉迫し、接近戦を仕掛ける。
「はぁっ!」
「シッ...!」
またもや同じように挟撃を仕掛ける。
しかし、今度は事前に創造しておいた剣を射出し、牽制してからだ。
剣を障壁で防がせ、死角からの攻撃をお見舞いする。
「っっ!?」
「っぁ....!?」
...が、それは目の前に迫る赤い短剣によって失敗した。
咄嗟に顔を逸らし、躱したが、挟撃は失敗。奏は腕を掴まれてしまった。
「(事前に用意していたのは、こいつも同じか.
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