第3章:再会、繋がる絆
第72話「再現された“闇”」
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結界を張り、万が一影響が外に出ても街には被害が出ないようにする。
「...シュライン、ここではどんな事があった?」
〈病院の屋上...ですか。〉
許可を貰い、持ってきたシュラインに聞く。
少なくとも僕の記憶には病院が関わった事件はなかったので、僕が魔法に関わる前の事だとは思うが...。
〈...おそらく、闇の書の事件ですね。ここではやて様が闇の書を暴走させてしまったので。〉
「...となると、再現されるとしたらはやてかその闇の書か...。」
印象に残るとすれば、おそらく暴走体の方だろう。
〈...だとすれば、厄介です。ジュエルシード一つでは強さに上限があると思いますが、闇の書はいくつもの次元世界を滅ぼした代物です。環境、状態を考慮せずに戦闘力だけを再現したのであれば、はやて様はともかく闇の書はそう簡単には...。〉
「...だとしても、ここで立ち止まる訳にはいかないな。」
次元世界を滅ぼす...ね。ジュエルシード単体でもそうだが、そんなの今更だ。
それに、どう考えてもあの時司さんを助け出せなかった時の方が手強い。
「それにしても....病院、か....。」
「...何か、思う所でもあるのかしら?」
「まぁ、ね....。」
前世で何度も聖司をお見舞いに行ったのもあるが、それとは別にもう一つある。
「(奏ちゃん...。)」
前世で、入院した同僚の見舞いに行った際、偶々知り合った少女。
心臓の病気で、義務教育すら碌に受けれなかった、儚くも純粋な少女。
そんな彼女の事を、ふと思い出した。
「深くは聞かないけど...深刻な事かしら?」
「...深刻...なのかはわからないかな...。ただ...。」
そんな少女の名前は、“天使奏”。
そう、今世で知り合った魅了を受けてしまっている奏と同姓同名だ。
「気にはなる...かな。でも大丈夫。戦闘に支障を来すようなものではないから。」
奏と“奏ちゃん”は同姓同名だ。
だけど、だからと言って同一人物とは限らない。
「...そう言われると余計に心配よ...。」
「ごめんごめん...。」
奏の特典は“立華奏の能力”。その特典から今の名前になったとも考えられる。
確かに“奏ちゃん”は立華奏に境遇や名前も似ているけど、別人だ。
...だけど、それでも気になってしまう。もし、同一人物だとしたら...と。
「........。」
―――...生きるって、辛くないですか...?
....ふと、前世で“奏ちゃん”に言われた事を思い出す。
当時の彼女は、心臓病のせいで、病院の中でただ生きるだけの毎日だった。
そん
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