ターン60 蹂躙王と怪異の演目
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もども命を捨てるか。ふたつにひとつでお願いします」
「そんなもん決まってるさ、レッサー・デーモン!砂漠の異世界では僕の親友も世話になったし、こっちでは辺境の大賢者をも襲い乗っ取った。そんなお前らと、僕が?土下座して僕の下に就くってんなら考えてやらんこともないけどね、身の程ぐらいわきまえてきなってんだ!」
まっすぐ山羊頭の目を見て啖呵を切る。また少しづつ、黒い負の感情が心の底から湧き上がってきているのを感じる……影響を受けた結果随分と傲慢な言い草になってしまったけど、この場合かえってその傲慢っぷりがよかったらしい。悪魔の顔がみるみるうちに怒りで赤く染まり、口が耳まで裂けた笑みを浮かべだした。
「……いいでしょう。では、後々の憂いになりそうな要素はここで断っておきます。始末して差し上げますから、私とデュエルしなさい」
「もちろんさ。表に出よう、ここじゃ狭すぎる」
「よろしい。お待ちしておりますよ」
言うが早いがレッサー・デーモンの姿がまた炎に戻り、勢いよく暖炉の中に引っ込んでいく。
一応暖炉の中で燃えているのがただの火であることを確認してからデュエルディスクを腕に装着し、こちらも電源を入れた。数秒としないうちに眠っていた機能が息を吹き返して準備万全の状態になった……と言いたいところだけど、なんだか内部から妙な音がするのとデュエル機能が復活するまでにワンテンポ遅いのが気にかかった。まあ、あれだけの雷撃を僕と一緒に受けたんだ、内部の機械がおかしくなったとしても全然不思議はない。幸い今はまだ動くし、なんとかなるだろう。
「君……」
何か言おうとしていたバックアップ・ウォリアーを手で制し、一言だけ言い残して外に出る。
「大丈夫です、勝ちますから」
「「デュエル!」」
もはや何も互いにいうことはせず、外に出るなりカードを引く。瞬間、今引いたばかりの手札から強い力が流れ込んでくるのが分かった。それに反応して、心の中のどす黒い感情が膨れ上がっていく。なるほど、つまりこのカードを使えば使うほど僕はこうやって先代の怒りや憎しみに蝕まれていくわけか。どうりで、デュエルディスクを外していた時は何も感じなかったわけだ。
「これは、短期決戦じゃないとまずいかな……」
「私が先攻を取りましょう。私は、EMジンライノを守備表示で召喚します。さらにカードを1枚セットし、ターンエンドです」
EMジンライノ 守1800
4本の腕のうち1本にデュエルディスクをつけてそれと対になる手で手札を持ち、さらに空いた腕を動かして巧みにカードを動かすレッサー・デーモンがまず呼び出したのは、太鼓を背負ったサイの姿をしたモンスター。
まずは守備固め、ということだろうか。別に、それ自体は何も
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